2019年07月07日

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(原題Le grand bain、英題SINK OR SWIM) 

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監督:ジル・ルルーシュ 
脚本・脚色:ジル・ルルーシュ、アメッド・アミディ、ジュリアン・ランブロスキーニ 
出演:マチュー・アマルリック、ギョーム・カネ、ブノワ・ポールヴールド、ジャン=ユーグ・アングラード

2年前からうつ病を患い、会社を退職して引きこもりがちな生活を送っているベルトラン(マチュー・アマルリック)。子供たちからは軽蔑され、義姉夫婦からも嫌味を言われる日々をどうにかしたいと思っていたある日、地元の公営プールで「男子シンクロナイズド・スイミング※」のメンバー募集を目にする。途端に惹きつけられたベルトランはチーム入りを決意するが、そのメンバーは、妻と母親に捨てられた怒りっぽいロラン(ギョーム・カネ)、事業に失敗し自己嫌悪に陥るマルキュス(ブノワ・ポールヴールド)、内気で女性経験のないティエリー(フィリップ・カトリーヌ)、ミュージシャンになる夢を捨てられないシモン(ジャン=ユーグ・アングラード)など皆、家庭・仕事・将来になにかしらの不安を抱え、ミッドライフ・クライシス真っただ中の悩めるおじさん集団だった。
元シンクロ選手のコーチ、デルフィーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)のもと、あらゆるトラブルに見舞われながらもトレーニングに励むおじさんたち。そして無謀にも、世界選手権で金メダルを目指すことになる。

※ 2017年7月22日、国際水泳連盟が種目名を「シンクロナイズド・スイミング」から「アーティスティックスイミング」に変更すると発表。伴い、日本水泳連盟も2018年4月1日から種目名等を「アーティスティックスイミング」に一斉に変更した。

男子のシンクロナイズド・スイミングといえば、『ウォーターボーイズ』(2001年)を思い出すだろう。妻夫木聡や玉木宏といったイケメン俳優が出演して評判になり、2003年にはテレビドラマにもなった。こちらには山田孝之、森山未來、瑛太、田中圭らが出演。引き締まった若い体のイケメンの宝庫だった。
ところが、本作ではヨーロッパを代表する演技派俳優たちがぽてぽてのお腹を揺らしながら振付の練習をする。自分の姿を棚に上げ、つい笑ってしまう。本作は原題『Le grand bain』が「大浴場」を、英題『SINK OR SWIM』が「いちかばちか」を意味するように、人生の折り返し地点を過ぎ、家庭や仕事、将来に惑う8人の中年男性が大浴場(プール)を舞台に、いちかばちかの再起に挑む姿を描いたヒューマン・コメディである。
練習しても技が決まらず、こんな調子ではフランスを代表して参加した大会で失態を見せてしまうのではとこちらまでハラハラ。現地入りすれば、ライバルたちの引き締まったお尻に経験の差を感じる。本番はどうなるのか? 若者にはない、大人の経験と貫禄が抜群の照明効果と相まって、彼らの演技と思いを魅せる。思わず立ち上がって拍手がしたくなる作品だった。(堀)


2018/フランス/スコープサイズ/カラー/フランス語/DCP/5.1ch/PG-12/122分
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©2018 -Tresor Films-Chi-Fou-Mi Productions-Cool industrie-Studiocanal-Tf1 Films Production-Artemis Productions
公式サイト:http://sinkorswim.jp/
★2019年7月12日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他ロードショー

posted by ほりきみき at 15:17| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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