2019年05月13日

居眠り磐音

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監督:本木克英
原作:佐伯泰英「居眠り磐音 決定版」(文春文庫 刊)
脚本:藤本有紀
音楽:髙見優
主題歌:「LOVED」MISIA(アリオラジャパン)
出演:松坂桃李、木村文乃、芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、陣内孝則、石丸謙二郎、西村まさ彦、谷原章介、中村梅雀、柄本明 ほか

主人公・坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼馴染を失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩。すべてを失い、浪人の身となった。
江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋の大家・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として働き始める。春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。 そんな折、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、 哀しみを胸に悪に立ち向かう。

縁側で日向ぼっこする猫のような穏やかさを持ちながら、大事な一瞬を見極めて逃さない。磐音の剣は本人そのまま。人情に厚く礼節を重んじ、良すぎるほどに人が良い。それはまた、松坂桃李自身かもしれない。悲しい運命の前半、江戸での居場所を見つける後半。1作品でたっぷり2つ味わえた満足感に浸る。松坂桃李のはにかんだような笑顔がたまらない!(堀)

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佐伯泰英氏の時代劇小説は古着屋総兵衛影始末シリーズ、酔いどれ小籐次留書シリーズは読みかじっていましたが、超長編の「居眠り磐音」シリーズは老後の楽しみに(今!)と手を付けずにいました。映画化されると聞いて手に取り、この飄々とした磐音に惚れました。壮絶な過去を背負っても外には出さず、欲をかかず市井の人とともに生きる姿がなんとも素敵です。映像を見てしまうと松坂くん以外には考えられず、これは彼の代表作になったと思いました。奈緒とおこんとの行く末も気になり、原作のようにシリーズ化してほしいものです。若い俳優たちが本木克英監督のもと、ベテランの現場のスタッフや俳優の先輩たちに育てられて、これからも時代劇を盛り立てていってくれますように。(白)
本木克英監督インタビューはこちら

2019年/日本/カラー/121分
配給:松竹
©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
公式サイト:http://iwane-movie.jp/
★2019年5月17日(金)全国公開
posted by ほりきみき at 00:30| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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