監督・脚本・編集:阿部はりか
音楽:LOWPOPLTD
出演:中尾有伽、青木柚、越後はる香、若杉凩、加藤才紀子、小泉紗希、新井秀幸、折笠慎也、卯ノ原圭吾、石本径代、芦原健介、水橋研二
何に対しても無気力な少年・コウ(青木柚)、学校が終わると見知らぬ男たちとつかのまの関係を持っているユウカ(中尾有伽)、不器用にすれ違う両親の狭間で行き場のない悲しさを抱えるサキ(越後はる香)。誰とも繋がれない寂しさと疎外感を抱えながら、ふとしたきっかけで音楽を通じて出会いを果たした3人。中学生最後の夏休み、都会の片隅にある廃ビルの屋上に集まっては、足りない何かを埋めるように、届かない何かを求めるように、静かに魂を重ね合わせてゆく――。
MOOSIC LABは2012年から始まった新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクト。企画段階から映画作家とミュージシャンによる映画と音楽の化学反応を映画に反映して制作し、コンペ形式・対バン形式で上映する異色の映画祭である。本作は2018年の長編部門で準グランプリに輝き、韓国・全州映画祭にてインターナショナル・プレミア上映された。また、青木柚が男優賞を受賞している。
家庭に心落ち着ける場がなく、孤独感と閉塞感に押しつぶされそうになる若者3人が音楽を通じて知り合い、時間を共有する。セリフは少ないが、映像で心情を伝える。3人で見に行った花火大会。煌めく花火の美しさに思わす息を呑む。
自分から繋がろうとすることで居場所は見つかるのだ。まず一歩。踏み出していく彼らを見守っていきたい。(堀)
2018年/日本/カラー/57分
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
©2018 Harika Abe/MOOSIC LAB
公式サイト:https://moonlessdawn.com/
★2019年7月20日(土)渋谷ユーロスペース他順次全国公開
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