2019年05月11日
僕に、会いたかった
監督・脚本:錦織良成
撮影:金子正人
照明:吉角荘介
音楽:瀬川英史
出演:TAKAHIRO、山口まゆ、柴田杏花、板垣瑞生、浦上晟周、小野花梨、宮本裕子、吉野由志子、川村紗也、斉藤陽一郎、清水宏、山下容莉枝、秋山真太郎、黒川芽以、小市慢太郎、松坂慶子
過去の記憶のない池田徹(TAKAHIRO)は島で一二を争う凄腕の漁師だったと言われているが、今は漁に出ることはなく、失った記憶に怯えながら日々を生きていた。そんな息子の姿を見て、母親の信子(松坂慶子)も苦しい思いを抱えている。
2人が住む島の高校では「島留学」と称し、都会から単身で越境入学する生徒を受け入れていた。池田家もこの取り組みに賛同し、福間雄一(板垣瑞生)の「島親」になる。徹は漁協の休みに釣りに出かけ、雄一との距離を縮めていく。雄一と一緒に島留学した木村めぐみ(山口まゆ)、横山愛美(柴田杏花)も遊びに来るようになっていった。
ある日、信子は徹の記憶を取り戻そうと、ある計画を実行する。果たして徹の失った時間は蘇るのか、また、止まった時間は再び動き出していくのか?
記憶を失った息子をそのまま受け止めた母の愛。それを見守る島の人々。美しい自然の風景と相まって、優しい思いが心に沁みわたる。ラストで海にかかった天使の梯子に心が洗われるよう。都会で時間刻みの生活をしていると見失ってしまうものがここにはあった。
島留学で来た高校生も生活に馴染んでいくうちに、気持ちが変化してくる。東大理三を目指していた雄一もその一人。息子の変化を心配して、実家から駆け付けた母親の気持ちも親として十分理解できるが、医者を目指すなら、雄一の変化は成長と見るべき。親元を離れたくて島に来た愛美も親のありがたさを知る。
大きな事件が起こることなく、淡々とした作品ではあるが、見終わったときにいい時間を過ごした気持ちになれるに違いない。(堀)
2019年/日本/カラー/5.1ch/シネマスコープ/96分
配給:LDH PICTURES
©2019「僕に、会いたかった」製作委員会
公式サイト:https://bokuai.jp/
★2019年5月10日(金)全国ロードショー
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