2019年06月15日

アマンダと僕(原題:AMANDA)

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監督・脚本:ミカエル・アース
共同脚本:モード・アムリーヌ
撮影監督:セバスチャン・ブシュマン
音楽:アントン・サンコ
出演:ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトリエ、ステイシー・マーティン、
オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレー、ジョナタン・コーエン、グレタ・スカッキ

夏の日差し溢れるパリ。便利屋業として働く青年ダヴィッドは24歳。シングルマザーの姉と程よい近さに住み、姪の世話を助けていた。パリにやってきた美しい女性レナと出会い、恋に落ちる。穏やかで幸せな生活を送っていたが、突然の悲劇で大切な姉が亡くなり、ダヴィッドは悲しみに暮れる。
彼は、身寄りがなくひとりぼっちになってしまった姪アマンダの世話を引き受けることに。若いダヴィッドには親代わりになるのは荷が重く、アマンダは母親の死を理解できずにいた。しかし、消えない悲しみを抱えながらも二人の間に少しずつ絆が芽生えはじめる。

保護者的存在だった姉を喪い、ダヴィッドは初めて大きな責任と向き合う。姪はかわいいものの、自分に育てることができるのか。悩み、戸惑い、逡巡する。一度引き受けたら放り出すことはできない。しかし、責任を背負うと決めることで人は成長し、絆が生まれるもの。作品はダヴィッドの奮闘を描くことで、人生に迷う人の背中を押す。(堀)

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©2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

生まれた命はいつか死ぬ。でもできるだけ先で、穏やかであってほしいと心の底で願う。突然に消えてしまうこともあるというのに。大切な人をそうやってなくしてしまったら、残された自分は乗り越えられるだろうか?
この作品は突然姉を亡くした大人の男性と母親を亡くした小学生の娘のストーリー(姉と母親は同一人物)。二人は悲しみからどう立ち上がるのだろう? 互いに必要だと気づくまでを丁寧に描いている。
ヴァンサン・ラコスト演じるダヴィッドは、しっかりした姉に保護されてきたせいか、なんだか頼りない。アマンダ役のイゾール・ミュルトリエは演技の経験はなく、人混みに紛れたら見失いそうな普通の女の子。急に一人放り出されたアマンダそのものだった。グレタ・スカッキがすっかり貫禄のおばさんになっていて見違えた。エマ・ストーンみたいな細さだったのに。(白)


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©2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

2018年、第31回東京国際映画祭東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞。
テロって遠い国の出来事と思ってましたが 最近の日本でもテロに似た事件が少なくないので、突然、身内を失う経験は誰にでも起こりうると思うと、この物語が俄然、自分の心身に響いてくるのでした。311の津波で叔母夫婦を亡くした時を思い出したり…
そして何気ない風景の光の再現が美しい!! ほとんどのシーンが16mmフィルムで撮影されているとのこと。道理で。私もフィルム派ですよ!! 写真のみですが…。 (千)

第31回東京国際映画祭で東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞した時の模様は、シネマジャーナルHP特別記事にあります(暁)。

シネマジャーナル 第31回東京国際映画祭 アウォードセレモニー報告
http://www.cinemajournal.net/special/2018/tiff-fin/index.html

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第31回東京国際映画祭授賞式に映像参加したミカエル・アース監督
撮影 宮崎暁美

◆フランス映画祭 2019年6月20日(木)~23日(日)
会場:みなとみらい21地区ほか
でも上映されます☆
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/466890900.html




2018年/フランス/ビスタ/107分
配給:ビターズ・エンド
©2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/amanda/
★2019年6月22日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
posted by ほりきみき at 23:37| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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