監督:兼重 淳
原作:重松 清 『せんせい。』所収 「泣くな赤鬼」(新潮文庫刊)
脚本:上平 満 兼重 淳
主題歌: 竹原ピストル「おーい!おーい!!」(ビクターエンタテインメント)
出演:堤 真一 、柳楽優弥、川栄李奈、竜星 涼、キムラ緑子、麻生祐未
城南工業高校野球部で顧問をしていた小渕 隆(堤 真一)は陽に焼けた赤い顔と、鬼の熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれていた。甲子園出場を目指していたが、決勝戦で破れて甲子園に行けなかった。
それから10年。県立西高校野球部で監督をする今は野球への情熱が衰えかけていた。ある日、ゴルゴと呼ばれていた、かつての教え子・斎藤(柳楽優弥)と再会する。野球の素質を持ちながらも、挫折して高校を中退したが、今は病に侵され、余命が宣告されていた。厳しさでしか教え子に向き合えなかったあの頃の後悔。小渕は、ゴルゴのために最後に何ができるのか―。
手が届きそうで届かなかった甲子園。これがいちばん辛い。いっそ遥か彼方の夢だった方が気は楽だっただろう。期待の重さに疲れたのか、次の赴任校の野球部では、おざなりな指導しかしていない。精悍な顔つきで熱心に指導する10年前と部員に請われても応えない、冷めた様子の今。主演の堤真一が著しい落差を自然に醸し出す。
一方、教え子を演じるのは柳楽優弥。いつもの狂気でぎらぎらした目は封印し、死期が迫りながらも野球がしたい、愛する家族ともっと生きたいという思いを切々と伝えてきた。
死を前に、私だったら何を思うのか。考えてしまった。(堀)
2019年/日本/カラー/111分
配給:KADOKAWA
©2019「泣くな赤鬼」製作委員会
公式サイト:https://akaoni-movie.jp/
★2019年6 月 14 日(金)全国公開
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