2020年11月20日
脳天パラダイス
監督:山本政志
脚本:金子鈴幸、山本政志
撮影:寺本慎太朗
照明:渡邊大和
録音:光地拓郎
出演:南果歩 いとうせいこう 田本清嵐 小川未祐 玄理 村上淳 古田新太 柄本明 ほか
東京郊外、高台にある一軒の大豪邸。家長の笹谷修次(いとうせいこう)に甲斐性がなく、この家を手放すことになった。引きこもり気味の息子・ゆうた(田本清嵐)は淡々と現実を受け止めているが、生意気盛りの娘・あかね(小川未祐)はヤケクソ気分でTwitterに「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と自宅への地図付きで投稿。そのままフテ寝してしまう。それがリツイートされまくり、瞬く間に拡散している状況を示す通知が鳴り響いていることも知らずに……。
やってきたのは、数年前、恋人を作って家を出たはずの自由奔放な元妻・昭子(南果歩)、インド人のゲイカップル、やる気のない運送業者、手癖の悪いあかねの友人、台湾から来た観光客の親子、酔っ払いのOL、恋人を探しているイラン人、謎のホームレス老人(柄本明)、……。そんな中、来客を頑なに追い返そうと修次は一人奮闘しますが、珍客はどんどん増え続け、しだいに豪邸は狂喜乱舞の縁日の境内状態になっていく。
引越しをしなきゃいけないのに為す術もなく、ドンチャン騒ぎにオロオロするだけの父親を演じたのはいとうせいこう。実際には俳優、小説家、ラッパー、タレントとマルチな才能を持つ方ですが、何をやらせても失敗ばかりの父親が妙にハマっています。
先陣切って状況を引っ掻き回す元妻を演じたのは南果歩。嬉々とした表情で(多分)ワイヤーアクションまで披露。「こんな風に自由に生きられたらいいよね~」と思ってしまいますが、そんな元妻にも嫁として耐えた時期があったことをさらりと挟み込み、共感を持たせます。
そんな2人だけでなく、登場人物それぞれが何らかの苦悩や闇を抱えていました。しかしハチャメチャな夜が終わると、みながそれなりに折り合いをつけて一歩踏み出していきます。作品を見ると「じゃ、私も」と気持ちを切り替え、前に進む元気がもらえそうです。(堀)
2020年/95分/R15+/日本
配給:TOCANA
©︎2020 Continental Circus Pictures
公式サイト:https://no-ten.com/
★2020年11月20日(金)ロードショー
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