2019年09月28日
向こうの家
監督・原案:西川達郎
脚本:川原杏奈
撮影:袮津尚輝
照明:小海祈
美術:古屋ひなこ
音楽:大橋征人
出演:望月歩、大谷麻衣、生津徹、でんでん、南久松真奈、円井わん、植田まひる、小日向星一
自分の家庭は幸せだ、と思っていた高校二年生の森田萩(望月歩)。しかし父親の芳郎(生津徹)にはもう一つの家があった。「萩に手伝ってもらわなきゃいけないことがある」芳郎の頼みで、萩は父親が不倫相手の向井瞳子(大谷麻衣)と別れるのを手伝うことに。自分の家と瞳子さんの家、二つの家を行き来するようになった萩は段々と大人の事情に気づいていく……。
別宅に住む愛人と別れたいから追い出してくれと息子は父から頼まれる。そこで経験するのは自宅とは違う雰囲気、手をかけた料理と会話。愛人に対する息子の心象が変わっていくように、見る側も倫理と感情で判断に迷う。否が応でもなく向き合わされた大人の世界を見ることで息子も自分と向き合うことに。価値観の多様性を知ることは大人への大きな一歩なのかもしれない。
それにしても、後ろめたい存在を仄めかすタイトルの絶妙さには唸った。(堀)
高校生の息子にそんなことを頼むお父さん、愛人を囲う甲斐性があるとは思えません。優しそうで、もてそうではあるのですが。
4人家族が暮らす家は手狭で、食卓はリビングの低いテーブルで兼用です。良き妻であろうと頑張るまじめな母親は、勢い余って空回り気味。瞳子の住むのは高台の日本家屋、勤めに出ている様子もなく、女を磨き、手をかけた料理を作る余裕があります。大谷麻衣さんは『娼年』で松坂桃李さんと激しい濡れ場を演じた人、そりゃもう色っぽくてお父さんデレデレです。本当に別れたいのか?いや、家賃や生活費が重荷になってきただけじゃないの、と主婦目線の私は勘繰りたくなります。
高校2年生にしては幼い感じの萩は、向こうの家とこっちの家を行ったり来たりしているうちにちょっとだけ大人になりました。二つの家の差、父親が全く違う顔を見せるところ、ドロドロにできるネタではありますが、萩中心に描かれるのであっさりめに進みます。
7月のスタッフ日記に試写を見た時のことが書いてありました。
西川達郎監督、大谷麻衣さん、生津徹さんがいらしていました。こちらです。(白)
2018年/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/DCP/82 分
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公式サイト:https://mukonoie.com/
★2019年10 月 5 日(土)より 渋谷シアター・イメージフォーラムほかロードショー
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