監督:大木萠
出演:イッセー尾形、篠原ともえ、稲荷卓央、橋爪遼、森田哲矢(さらば青春の光)、東ブクロ(さらば青春の光)、とみやまあゆみ、新井美羽、緒方賢一、モロ師岡 ほか
昭和18年、漫画家が団結して国策に協力する『日本漫画奉公会』が設立。 日本は本格的な国策へと乗り出していた。そんな中、一人の老人が内務省の検閲課に呼ばれた。薄暗い小部屋に案内され、検閲官と対峙する老人。 ポツリポツリと過去の記憶を語りだしたこの老人こそが、日本漫画奉公会の会長であり、 かつて"近代漫画の父"と呼ばれ、現在に至る漫画を"職業"として確立した男・北沢楽天その人であった。風刺画家として福沢諭吉にその才能を見出された若かりし頃の楽天は、「日本初の職業漫画家」となり、一気に売れっ子の道を駆け上っていく。 一躍時代の寵児となった楽天は、政治家すら一目置くほどの存在となっていった。 一方でたくさんの弟子を養成し、次々と新しい表現方法に挑戦し、 それまで「ポンチ絵」として蔑まれていた風刺絵を 「漫画」というひとつのジャンルにして、広く世に浸透させた。開拓の明治にはじまり、浪漫の大正を経て、そして激動の昭和へ……。 しかし、やがて黒く強大な時代の渦が、楽天や漫画はおろか、日本全体をも飲み込んでいくのであった
北沢楽天の名前はこの作品で初めて知った。風刺画を描いて成功し、一人で描くだけでなく、スタッフを抱えたスタジオ制を始め、日本最初のアニメーション映画を製作した下川凹天などを世に送り出し、後輩の育成にも尽力。そんな楽天が太平洋戦争真っただ中の昭和18(1943)年、国が設立した日本漫画奉公会の会長にお飾りとはいえ、就任するに至るまでの彼の心中はいかばかりか。しかし、作品の最後に楽天の妻へのあふれるような愛を感じ、すべては妻に安定した生活を送らせてあげたい一心だったのではないかと感じた。戦後は執筆活動を引退したとはいえ、妻とふたり、きっと幸せな人生だったに違いない。主人公夫婦を演じたイッセー尾形と篠原ともえを見ているとそんな温かな気持ちになる。(堀)
2018/118分/日本語/シネマスコープ/5.1ch
配給:アースゲート
©漫画誕生製作委員会
公式サイト:https://www.mangatanjo.com/
★2019年11月30日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
◆2019年11/30,劇場公開初日の舞台挨拶へ駆けつけました!! (千)
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/471861241.html
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