監督・脚本:山崎貴
原作:モンキー・パンチ
音楽:大野雄二
声の出演:栗田貫一 小林清志 浪川大輔 沢城みゆき 山寺宏一 広瀬すず 吉田鋼太郎 藤原竜也
「ブレッソン・ダイアリーを戴きに参上します ルパン三世」
その謎を解き明かしたものは莫大な財宝を手にするとされ、かのアルセーヌ・ルパンが唯一盗むことに失敗したといわれている秘宝・ブレッソン・ダイアリー。
そんな伝説のターゲットを狙うルパン(栗田貫一)は考古学を愛する少女レティシア(広瀬すず)と出会い、2人で協力して謎を解くことに。しかし、ブレッソン・ダイアリーを狙う秘密組織の研究者ランベール(吉田鋼太郎)と、組織を操る謎の男ゲラルト(藤原竜也)が2人の前に立ちはだかる。
不朽の名作『カリオストロの城』から40年。今年4月にこの世を去った原作者モンキー・パンチの悲願だった3DCGアニメーションによる劇場版を山崎貴監督が完成させた。「ルパン三世」シリーズとしては23年ぶりの劇場版でもある。
オープニング曲が流れるだけでワクワクし、サスペンスタッチで物語が始まると気持ちがスクリーンに引き寄せられる。今回のヒロインは考古学を愛する少女レティシア。雰囲気が何だかクラリスに似ている。ルパンが張り切るのも当然だろう。随所に『カリオストロの城』へのオマージュが感じられ、うれしさで涙が止まらない。
ストーリー展開は大風呂敷を広げてしまった感もあるが、最後は何とかうまくまとめた。さすが山崎監督!
3DCGのルパンはいつもと違うので、最初、ちょっと違和感があったが、次第に慣れてくる。ルパンの赤いジャケットの質感まで伝わってきたのだが、まさかレザージャケットだったとは!40年以上ルパンを見てきて初めて知った事実だった。(堀)
2015年の東京アニメアワードで『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』上映後、モンキー・パンチ氏と小池健監督、浄園祐プロデューサーのトークを聞きました。
以下モンキー・パンチ氏の言葉のみ。
「駆け出しの漫画家だったので1967年に連載の話がきたとき、冗談かと思った。アニメになってこんなに長く続くとは」
「原作では小物についてこだわりはなかった。週刊誌に20~25ページ書くのでワルサーP38 とかベンツとかに限定してしまうと、どこから見てもそう描かなくてはいけないから。その点についてはアニメの方々が凝ってくれたんです」
「見た人が朗らかになってほしいと描いていました。不可能なことに挑戦して成功する。必ず20何ページかで完結する。それ以外は創作の幅を狭くするのできっちり決めていませんでした。ルパンの年齢も見ている人が決めていいんです。アニメについてはまかせっきりでした。3Dのルパンが観たいですね」
やっとお目見えしたこの3DCGのルパン、モンキー・パンチさんもどこかできっと観て喜んでくださっているでしょう。(白)
2019年/日本/93分
配給:東宝
(C) モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会
公式サイト:https://lupin-3rd-movie.com/
★2019年12月6日(金)全国東宝系にてロードショー
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