監督・脚本:浅野晋康
出演:六角精児、高島礼子、水野久美、佐津川愛美、柄本明、螢雪次朗、斉藤陽一郎、水木薫、
思いがけず早期退職するハメになった56歳の平凡な会社員・小川秀治(六角精児)。家族は、母と嫁と、役者志望の息子に娘が一人。どこにでもある平凡な一家だが、出戻り娘の恋愛騒動、母親の認知症と問題だらけ。退職後、退屈な日々に時間を持て余した秀治は、「なにか趣味でもはじめよう」と考えるのだが、どれもうまくいかない。再就職しようと職業安定所に相談に行くも、なかなか厳しい現実を突きつけられる。やりたいことも特になく、再就職先が見つかるまでとりあえず決めたアルバイト。しかし、娘のような若い女子先輩にダメ出しばかりをくらってしまう。
そんななか、ひょんなことから地域住民との関わりを持った秀治は、地元・府中で開催されるお祭り「くらやみ祭」のお手伝いをすることに! 最初は気乗りしない秀治だったが、「くらやみ祭」を通して出会った仲間たちと関わるなかで、自分自身と家族の人生に向き合い、やがて人生再出発へ向けて奮闘しはじめる。そんなとき、「くらやみ祭」に大きな問題が持ち上がった。
1トンの神輿もみんなで担げば重くない。人生も同じ。思い通りにいかなくても、家族で支え合えば何とかなるもの。第二の人生をどう送るかは、そのときにならないとわからないとは思うが、前向きに捉えたいとこの作品を見て思う。
出戻りの娘は子どもを忘れて自分の幸せを求めてしまう。娘役の佐津川愛美が若いバツイチの葛藤を切実に伝える。ダメでしょと思いつつ、嫌いになれない。主演より脇で光るタイプの女優かもしれない。(堀)
東京都府中市が町を上げて応援して、「くらやみ祭り」を舞台にした映画が出来たと知って、わくわくしながら試写に伺いました。くらやみ祭りは、府中の大國魂神社の5月のお祭り。我が家が46年前に高幡不動に引っ越してきて以来、毎年初詣に行く府中の大國魂神社ですが、くらやみ祭りに通い始めたのは、この10年位。会社勤めしていた頃は、5月の連休には必ず海外旅行に出かけていたので、行けなかったのでした。
大國魂神社の起源は、第12代景行天皇41年(西暦111年)5月5日。武蔵国の守り神としてお祀りした神社で、実に歴史のある神社なのです。
5月5日に行われる例大祭が、闇夜の中、神輿を御旅所へ神幸することから、俗に「くらやみ祭」と言われています。4月30日〜5月6日の期間、「汐盛り」と呼ばれる神事から始まり、競馬式(こまくらべ)、萬燈大会、太鼓の響宴、山車行列、神輿渡御など、連日、様々な行事が繰り広げられます。
「くらやみ祭り」の詳しい日程を、大國魂神社のサイトで確認の上、来年の春に是非いらしてみてください。
https://www.ookunitamajinja.or.jp/matsuri/5-kurayami.php
小川さんたちが祭りの時に被っている烏帽子にも、ぜひ注目してみてください。
いかにも古式ゆかしい祭りという感じがします。
映画の中ではクライマックスの神輿を小川さんが初めて担ぎます。
府中の男たちは、この祭りのために働いているといってもいいほど。なので、府中で3代目の小川さんがこれまで会社勤めで忙しかったにしても、なぜ参加してなかったのかなぁ~と、ふっと思ってしまいました。祭りに目覚めるのがちょっと遅かったけど、これからは毎年楽しみにすることでしょう。
私自身、40半ばで会社の都合で辞めざるを得なかったのですが、この先、どうなるかと心配していたのに、逆に自由な時間を貰って、違う人生が開けました。映画を観て、そんなことにも思い至りました。(咲)
スタッフ日記:府中・大國魂神社のくらやみ祭りで神戸のだんじりに出会いました!
http://cinemajournal.seesaa.net/article/359239631.html
2019年/111分/G/日本
配給:ピーズ・インターナショナル
(C) ヴァンブック
公式サイト:https://kurayamiogawa.com/
★2019年10月25日(金)TOHOシネマズ府中他全国順次公開
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