2019年11月04日

国家が破産する日(原題:Default)

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監督:チェ・グクヒ
出演:キム・ヘス、ユ・アイン、ホ・ジュノ、ヴァンサン・カッセル

経済が右肩上がりの成長を遂げ、国民の多くが好景気は続くと信じて疑わなかった1997年。中央銀行である韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョン(キム・ヘス)は通貨危機を予測する。しかし政府の対応は遅れ、国民には公示せず、非公開の対策チームを招集したときには、タイムリミットの国家破産まで残された時間は7日間だった。
時を同じくして、危機の兆候を独自にキャッチした金融コンサルタントのユン・ジョンハク(ユ・アイン)は、一世一代の大勝負に出る。
一方、何も知らない町工場の経営者ガプス(ホ・ジュノ)は、大手百貨店からの大量発注を手形決済という条件で受けてしまう。自国通貨の価値が加速度的に下落する中、彼ら、そして国家は生き残ることが出来るのか。

1997年に韓国で実際に起こった通貨危機の裏側。日銀に該当する韓国銀行の担当者チームは国家経済の確立維持を考え、行政側は身内の保身に走る。日本でもありそうなことに思えてならない。
金融のプロは主婦のラジオ番組への投稿を聞いて状況に気づき、一獲千金を狙う。そういえがこの金融のプロ、ユン・ジョンハクを演じたユ・アインは『バーニング 劇場版』では羽振りのいい男に好きな女性を取られる田舎男を演じていた。作品が変われば雰囲気もがらりと変わるものだ。
一方で煽りを受けて追い詰められる零細企業。古今東西変わらぬ構図。IMF支援は誰のためなのか。その裏にアメリカの思惑が見え隠れする。日本がこのとき韓国を支えようとしたが、止められたという話も聞く。
堪えた者勝ちのラストに堪えられなかった者の末路を思う。エンタメ性を盛り込み、経済問題に疎くても最後まで意識を引きつける。(堀)


2018年/韓国映画/114分/カラー/5.1chデジタル/ビスタ/
配給:ツイン
©2018 ZIP CINEMA, CJ ENM CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://kokka-hasan.com/
★2019年11月8日(金)シネマート新宿、シネマート心斎橋 ほか 全国順次ロードショー
posted by ほりきみき at 18:09| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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