監督・脚本:中村義洋
原作:山本博文『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書)
出演:堤真一、岡村隆史、濱田岳、妻夫木聡、荒川良々、石原さとみ、竹内結子、西村まさ彦、寺脇康文、上島竜兵、堀部圭亮、山口良一、鈴木福、千葉雄大、滝藤賢一、笹野高史 ほか
徳川綱吉の時代。赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は江戸城内・松の廊下で幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかり、即日切腹。藩は取り潰しの処分が下された。筆頭家老の大石内蔵助(堤真一)は嘆く暇もなく、幼馴染みの勘定方・矢頭長助(岡村隆史)に助けられながら残務整理に励み、御家再興の道を模索する。しかし幕府に認めてもらえず、宿敵・吉良邸への討ち入りを決意した。
討ち入りにはお金がかかる。予算の上限は現代の金額に換算して約9500万円。浪士たちの生活費や食費、家賃に加えて、江戸までの旅費、討ち入りに必要な武具など支出はかさむ。節約する者がいれば、無駄遣いする者もいて、プロジェクトは難航。予算が足りないために“リストラ”も余儀なくされる。さらに予算の都合で討ち入りのチャンスは1回限り。果たして彼らは予算内で一大プロジェクト(討ち入り)を無事やり遂げることができるのか。
討ち入りを金銭面に焦点を当てて、コメディタッチに描く。討ち入りか、御家再興か。費用の上限は1億円弱。いくさ担当の番方、事務の役方がお金の使い方で攻防戦を繰り広げる場面は現代の営業と経理のよう。入り乱れる様々な思惑。それによる赤穂藩士の悲喜こもごも。初めは御家再興に傾いていた大石内蔵助が決意したときは浪士とともに思いが高ぶった。そんな大石内蔵助に堤真一。思案に暮れた顔から廓で羽目を外す顔まで振れ幅大きく、様々な表情を見せる。妻との別れのシーンはコミカル感を漂わせながら切なさも醸し出す。ファンにはたまらないシーンかも。また、腕は立たないが口達者な浪士が意外な活躍をする。演じていた濱田岳がらしさが炸裂!(堀)
2019年/日本/カラー/125分
配給:松竹
©2019「決算!忠臣蔵」製作委員会
公式サイト:http://chushingura-movie.jp/
★2019年11月22日(金) 全国公開
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