監督・編集:岡島龍介
撮影監督:手嶋悠貴
出演:般若
Zeebra、AI、t-Ace、R-指定(Creepy Nuts)、T-Pablow (BAD HOP)、BAKU
長渕 剛(特別友情出演)
東京・三軒茶屋。様々な文化がせめぎ合うこの街から一人の偉大なラッ パーが生まれた。彼の名は般若。 日本のヒップホップシーンそして音楽シーンに大きな影響を与えてきた彼の今まで語られることの無かった父への想い、大きく変わった世の中の状況、今後の想いを彼はカメラに向かって話し始めた。
般若ファンのみなさま、申し訳ございません!
本業がラッパーとは知らず、俳優だとばかり思っていました。初めて意識したのは『ビジランテ』です。恐喝相手の手の甲にぶすっと韓国の金属製の箸を突きさすシーンに恐怖を覚えました。その後も、裏社会の人間を演じる俳優として着実に出演を重ね、印象に残る演技を見せてきてくれました。しかし、俳優は般若の一面だったのですね。
本作ではもちろんラップシーンもありますが、般若を知る人たちのインタビューを積み重ねて、般若がどういう人物なのかを浮かび上がらせていきます。
元々は2人組のグループでしたが、あるときから1人で般若を背負うことになり、今に至るそう。音楽との出会いは長渕剛の曲がきっかけだったと語る般若にとって、長渕剛は音楽だけでなく人生の師であり、何より母子家庭に育った彼にとっては精神的な父親的存在だったことが伝わってきます。その上で本当の父親への思いもラップで語っていました。
有言実行の人でもある般若は日本武道館単独ライブを宣言し、そこに向かって邁進します。その努力たるや並大抵のことではありません。体を鍛えることにも全力投球。まるでプロボクサーのような鍛え方をしている姿を映し出しつつ、好きではないけれど仕事だからやっていると語る般若。仕事に対する真摯な姿勢に頭が下がります。『タイトル、拒絶』で田中俊介さんにインタビューしたときに「般若さんは格闘技をやっていらっしゃるので、殴り方がプロなんですよ。お芝居なので、拳が右から左に流れている画を撮りたいのですが、般若さんはプロ過ぎて、見えない角度でシュシュって拳が動きます」と語っていましたが、本作を見て、それも納得できました。
マルチな活躍と表現するのはかえって申し訳なくなるくらいストイックな生き方は長渕剛に影響を受けているのでしょう。憧れの存在でもある長渕剛からのメッセージで締めくくられる本作は般若を理解する上でとても大切な作品です。(堀)
2020/日本/114分/16:9/color
配給:REGENTS
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公式サイト:http://hannyamovie.jp/
★2020年12月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
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