2021年01月23日
花束みたいな恋をした
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
主演:菅田将暉 有村架純/清原果耶 細田佳央太/韓英恵 中崎敏 小久保寿人 瀧内公美/森優作 古川琴音 篠原悠伸 八木アリサ/押井守、Awesome City Club PORIN/佐藤寛太 岡部たかし/オダギリジョー/戸田恵子 岩松了 小林薫
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦(菅田将暉)と 八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。
恋愛は障害があればあるほど盛り上がる。だからでしょうか、ラブストーリーは何かしら枷があるものが多い気がします。例えばどちらかが難病に罹ったり、親が倒れたり。本作は脚本家・坂元裕二が初めて映画に挑んだ、20代の男女が主人公のラブストーリーですが、そういった枷が1つもありません。大学生から社会人へと変化していく5年に渡る日常を淡々と描いています。恋のライバルが登場したり、浮気をしたりすることさえなく、ある意味とてもリアルです。私たちの日常もそうそう事件は起きませんものね。主人公2人を自分にオーバーラップしてしまう人も多いのではないでしょうか。
恋は楽しいときだけでなく、辛く悲しいときもある。2人が紡いだ5年の日々は互いに必要な5年間だったと思えるラストは周りの目を気にせず泣いてください。(堀)
人の数だけある出会いと別れの物語。『花束みたいな恋をした』は、観ていて、誰しもきっと、こんなこともあったと思い出す場面があるのではないでしょうか。キュンと切なくなったり、あの時、なぜムカッときたのかとか・・・ 今となっては、どうして別れてしまったのかと思っても、やり直しはできません。大切な思い出の一つとして、そっと胸にしまって、前進あるのみ♪
脚本を書いた坂元裕二さんは、本作をぜひ中高生に観てほしいと語っています。どんどん恋愛体験してほしいということでしょうか・・・
出会いは明大前駅。飛田給や調布、野川沿いの並木道、多摩川を見晴らせるマンションと、京王線沿線に住む私にはお馴染みの風景が出てきて、ちょっと嬉しい。
そして、二人が観た映画は『希望のかなた』。シェルワン・ハジさん演じるシリア難民の青年がヘルシンキの食堂で皆が見ている中、食事をしている場面。
二人が好む音楽や本や絵も、私には馴染みがないけれど、きっとこれ好き!と、共感する人も多いのではないでしょうか。若い人にはこれからの恋愛のヒントに、老いた人には青春を思い出すひと時に♪ ぜひご覧ください。(咲)
「付き合って5年」はいわゆる”長すぎた春”になるんでしょうか。結婚するには勘違いと勢いが必要ですからね。再会したとき「あ」とか「よっ」と言えるのは傷つけあっての別れではなかったから、いいなぁ。これ。
中で麦と絹がイヤホンを一個ずつ耳にして同じ音楽を聴いているシーンがありました。そこで音楽関係の仕事をしているらしい男性に、「両方で聴いてこその音楽」とこんこんと説明されるのです。これが後で生きてきます。片方ずつで聴いているカップルは意外に多くて、映画の中や巷で見かけるたびにそのシーンを思い出します。(白)
2021年/124分/G/日本
配給:東京テアトル、リトルモア
©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
公式サイト:https://hana-koi.jp/
★2021年1月29日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか、全国公開
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