2019年08月22日

おしえて!ドクター・ルース(原題:ASK DR.RUTH)

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監督:ライアン・ホワイト 
出演:ルース・K・ウエストハイマー

家族をホロコーストで失った少女時代、終戦後はパレスチナでスナイパーとして活動し、女性が学ぶことが難しかった時代に大学で心理学を専攻。アメリカに渡り、シングルマザーとなり娘を育てた。そして、30歳の時に、3度目の結婚で最愛の夫フレッドと出会う。自分らしく生きるために学び、恋し、戦い、働く。いつだって笑顔で前を向く“ドクター・ルース”はいかに誕生したのか。

ルースは歯に衣着せぬコメントが人気のセックスセラビスト。男性でも言えない単語もさらりと使い、聞きたいけれど聞けないことを教えてくれる。
これまでルースはドキュメンタリーの企画を断り続けてきたが、90歳になるにあたり、家族に人生を語り継ぎ、アメリカの社会に正しい性教育をもたらした自身の役割を記録する必要があると考え、出演オファーを受けたとのこと。
ライアン・ホワイト監督は彼女のユダヤ系ドイツ人という生い立ちから今に至るまでを本人や知人のインタビュー、過去映像で明らかにする。作品からは本来業務の具体的なアドバイスを超えた、人生を前向きに生きる姿勢が伝わってきた。(堀)


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『おしえて!ドクター・ルース』は、ユダヤ系ドイツ人の少女がどのようにナチスの時代を生き延び、その後の人生を送ったのかの一つの例として、とても興味深い作品。
1938年、娘の将来を案じた父が、正統派ユダヤ教徒の疎開プロジェクトにルースを参加させる。スイスの養護施設で、ユダヤ人の子どもたちはスイス人の子どもたちの世話係りをしながら学ぶ。ユダヤ人が二級市民扱いなのがわかる。
施設長の「あなたたちは親から見捨てられた」という言葉が、子ども心にぐさっと刺さったという。両親は子どもたちのことを思って疎開させたのに、心無い言葉だ。
女子は高校に進学させてもらえず、ボーイフレンドから授業の内容を教えてもらう。
17歳の時、ドイツが敗戦。両親と祖母は亡くなったと告げられる。マルセイユ経由パレスチナに送られ、キブツで暮らすようになる。本名カローラ・ルース・シーゲルだが、ドイツ名のカローラは嫌われることから、ミドルネームのルースを使うようになる。
20歳を過ぎた頃、イスラエル軍人ダヴィッドと最初の結婚。医学の勉強のため留学する夫に付いてパリへ。ソルボンヌ大学で、高校に行けなかった人のための1年間の準備講義を受ける。イスラエルに帰るというダヴィッドと離婚。その後、パリでダンと再婚。ホロコーストで教育を断念した者に1500ドルの賠償金が出ると知り、ダンを説得してアメリカに移住。その後、ダンとは別れるが、3人目の夫フレッドとスキー場で運命的な出会いを果たす。お互いユダヤ人。
10歳で両親と離れ、スキンシップが得られなくなったことも、セックスセラピストになった一因とルースは語る。
アメリカに渡り、英語を学ぶのにロマンス小説を読みまくったというのもルースらしい。先が知りたくて最後まで読めるというのが利点だが、恋のノウハウも学んだのでは? ルースの言葉、そして生き様から元気を貰った。(咲)


2019年/アメリカ/英語/アメリカン・ビスタ/カラー/100分 
配給:ロングライド
公式サイト:https://longride.jp/drruth/
★2019年8月30日(金)、新宿ピカデリーほか全国公開





posted by ほりきみき at 01:08| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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