2020年03月22日

ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記 

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監督:平良いずみ
出演:坂本菜の花
語り:津嘉山正種

北国・能登半島で生まれ育った坂本菜の花さんはいじめに遭い、地元の高校ではなく、沖縄のフリースクール・珊瑚舎スコーレに通うことを選んだ。ここでは既存の教育の枠に捉われない個性的な教育が行われ、70年あまり前の戦争で学校に通えなかったお年寄りも共に学ぶ。菜の花さんはお年寄りとの交流を通して、沖縄ではいまなお戦争が続いていることを肌で感じとっていく。
次々に起こる基地から派生する事件や事故。それとは対照的に流れる学校での穏やかな時間。菜の花さんは自分の目で見て感じたことを大切にし、自分にできることは何かを考え続ける。こうした日々を、彼女は故郷の北陸中日新聞にコラム「菜の花の沖縄日記」として書き続けた。そこから沖縄の素顔が浮かび上がってくる。

タイトルの「ちむぐりさ」は誰かの心の痛みを自分の悲しみとして一緒に胸を痛めること。沖縄の言葉には自分自身が悲しいという言葉がないらしい。作品の中でも、民間の牧草地に米軍の大型輸送ヘリが落ちたときに、牧草地の所有者はヘリに乗っていたアメリカ兵を助け、彼の娘もヘリの乗員の命を心配する。なかなかできることではない。こうした沖縄の人たちの優しい心に触れ、少女は自分がすべきことを考え、行動するようになっていく。
少女の視点を通して、私たちが多くのことを沖縄の人に押し付けて安穏と暮らしていることを思い知らされる。知った以上、このままではいけない。本土にいても何ができるはず。考えることが必要なようだ。(堀)


この作品で「フリースクール・珊瑚舎スコーレ」というフリースクールが沖縄にあることを知った。若い層から、戦争で学べなかった世代まで、幅広い層の学生が通い、既存の教育の枠に捉われない個性的な教育をしている。学校そのものを「思索と表現と交流」の場として、いろいろな世代が交流をしながら学んでいる。そこに北陸から坂本菜の花さんはやってきた。そして沖縄を体験する。
同世代だけでなく、沖縄のおじいやおばあとも知り合い、文化、歴史に触れながら、沖縄と本土の違い、沖縄が置かれている状況にも遭遇する。沖縄の基地も訪れ、自分の目で見て、耳で聞いて、大切なことは何かを考える。そんな日々を綴ったのがこの作品。私もこういう学校に通ってみたかったなと思わせてくれた(暁)。


菜の花さん。なんて素敵な名前なのだろう。
石川県能登で生まれ育った菜の花さんは、いじめを受けて、地元から遠く離れた沖縄の学校に行くことを選んだ。15歳で親元を離れ、働きながら学ぶ菜の花さんは、感受性の強い女の子。沖縄で米軍基地がもたらす問題を目の当たりにした菜の花さんは、かつて故郷で起こった内灘闘争(1952~53年)のことを思い起こす。内灘砂丘を米軍の試射場とすることに住民が反対し阻止。その後、日本各地での基地反対運動のきっかけとなったとされ、その帰結として沖縄の負担が重くなったことに思いが至る。菜の花さんがヤマトンチュとして沖縄のために何が出来るかと模索する姿に、観ている私も、沖縄を他人事にしてはいけないと思った。(咲)



2020年/日本/DCP/カラー/106分
配給:太秦
(C) 沖縄テレビ放送
公式サイト:http://chimugurisa.net/
★沖縄・桜坂劇場にて先行上映中
2020年3月28日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開

posted by ほりきみき at 01:05| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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