2022年06月26日

ブラック・フォン(原題:The Black Phone)

ブラックフォン.jpg
 
監督:スコット・デリクソン
出演:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ

コロラド州デンバー北部のとある町では、子供の行方不明事件が頻発していた。気が小さく独り立ちできない少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという風船を持った男に出くわす。「マジックを見たいだろ?」の一言を発したかと思うと、フィニーは黒いバンに無理やり押し込まれ、気が付くと、地下室のような密室に閉じ込められていた。壁に囲まれたその部屋には鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして「断線している黒電話」があった。すると突如、断線しているはずの電話のベルが鳴り響く。フィニーは恐る恐るその受話器を取るが、それは死者からのメッセージだった。
一方、行方不明のフィニーを探しているグウェンは兄の失踪に関する不思議な予知夢を見たというが…。

原作はジョー・ヒルが2005年に発表した短編集「20世紀の幽霊たち (20th Century Ghosts )」 に収められた「黒電話」。ちなみにヒルは『IT』や『シャイニング』などで有名な小説家スティーヴン・キングの息子です。親の七光りではなく、自分の力で成功を勝ち取るため、本名 ジョセフ・ヒルストーム・キングを簡略化してペンネームにしたそうです。「20世紀の幽霊たち」はデビュー作ながら評論家から絶賛され、2006年にブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞受賞を受賞しています。
その原作を『ドクター・ストレンジ』『エミリー・ローズ』のスコット・デリクソン監督がイーサン・ホークを主演に迎えて映画化しました。
が、印象としてはフィニーが主人公。優しくて賢いけれど、少し気が弱く、学校ではいじめの標的になっていますが、さらわれたことをきっかけに成長していく物語なのです。兄を助けたいと必死に行動するグウェンのがんばりも心を打ちます。
死者と電話で会話をする辺りはスリラーというよりもホラーに近く、苦手な人は少々どきどきするかもしれません。しかし、そこを乗り越えれば、さまざまな伏線が最後にしっかり回収され、「こうことなのね」と予想したことを見事に外したラストに驚き、清々しい気持ちに満たされるはず。フィニーはもう学校でいじめられることはないでしょう。(堀)


2022年/104分/PG12/アメリカ
配給:東宝東和
© 2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone
★2022年7月1日(金)全国公開
posted by ほりきみき at 02:22| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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