2020年04月03日

白い暴動(原題:White Riot) 


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監督:ルビカ・シャー
出演:レッド・ソーンダズ、ロジャー・ハドル、ケイト・ウェブ、ザ・クラッシュ、トム・ロビンソン、シャム 69、スティール・パルス他

「英国病」と呼ばれるほどに経済破綻状態にあった1970年代のイギリス。市民が抱いていた不安と不満は、第二次世界大戦後に増加した移民たちへ転嫁されていった。街は暴力であふれかえり、黒人やアジア人が襲われた。そのなかで、レッド・サンダースを中心に数人の仲間たちで発足された“ロック・アゲインスト・レイシズム”略称RARは、人種や生まれによる差別への反発、不平等への反抗を主張し、雑誌を自費出版して抗議活動を始める。RARの発信するメッセージはやがてパンクバンドのザ・クラッシュをはじめ、トム・ロビンソン、スティール・パルス等の音楽と結びつき、支持されていく。1978年4月30日、RARが決行した約10万人による大規模なデモ行進と、その終着地での音楽フェスは市民が一つになった瞬間であり、観る者の心を揺さぶる。

映画のタイトルを見て、英国のパンクロックバンド「クラッシュ」の代表曲を思い出した人は幸いである。たしかにクラッシュは映画に登場する。『白い暴動』も歌う。しかし音楽映画ではない。
1970年代後半の英国で経済や社会が停滞する中、台頭してきたレイシズム(人種差別主義)と闘った人々の記録である。当時の私は大学生のロックフリーク。クラッシュの性急なビートと荒々しいボーカルの叫びは気に入っていたが、背景にある英国社会の危機的な状況は知らずにいた。社会を覆う淀んだ空気は重苦しく、闘う人々は危険と隣り合わせだが、ロック音楽が人々の絆となり、社会を変革する力となった。ある意味で幸せな時代。そんな思いがエンドロールを見ながら頭をよぎった。(堀)


2019年/イギリス/英語/84分/カラー
配給:ツイン
photograph by Syd Shelton
公式サイト:http://whiteriot-movie.com/
★2020年4月3日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他にて全国順次ロードショー!

新型コロナウイルスの感染拡大および緊急事態宣言の発出に伴い、各動画配信サービスで4月17日よりレンタル配信されることになりました。
配信期間は4月17日から5月15日まで。
配信プラットフォームは映画の公式SNSや配給会社ツインのTwitterを確認してください。
配信開始日や価格は各サービスによって異なる場合があります。

配信プラットフォーム
UPLINK Cloud / Amazon Prime Video / GYAO!ストア / クランクイン!ビデオ / COCORO VIDEO / TSUTAYA TV / DMM動画 / dTV / ひかりTV / ビデオマーケット / ビデックスJP / ムービーフルplus / music.jp / U-NEXT / Rakuten TVほか

(twitterより)
映画『#白い暴動』は緊急事態宣言の発出により、各上映劇場に休業要請が出ております。
残念ではありますが、各所当面休館が続きます。
再上映が出来る日まで尽力してまいります
また、1日も早い収束を願っています<(_ _)>
各劇場の公開情報はコチラ→http://whiteriot-movie.com
posted by ほりきみき at 00:17| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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