2026年03月01日
しあわせな選択 原題;어쩔수가없다(仕方ない) 英題:NO OTHER CHOICE
監督・脚本:パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』『別れる決心』)
原作:ドナルド・E・ウェストレイク著「斧」(文春文庫)
出演:イ・ビョンホン(『JSA』『美しい夜、残酷な朝』)、ソン・イェジン(『私の頭の中の消しゴム』「愛の不時着」)、パク・ヒスン、イ・ソンミン(「未生~ミセン~」『ソウルの春』)、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン(『奈落のマイホーム』)
製紙会社で25年間、堅実に仕事をしてきたマンス(イ・ビョンホン)。妻ミリ(ソン・イェジン)の誕生日、温室のある家の広い庭で、会社から貰ったウナギを焼き、「全てを叶えた」と、妻と息子のシウォンや娘のリウォンを幸せそうに抱きしめる。そんな絶頂期、会社の業績が傾き、マンスは突然解雇される。3か月以内に再就職すると意気込むが、13か月経ってもバイト生活。家族同様のリトゥ、シトゥの2匹の犬はすでに妻の実家に預けていたが、苦労して買い戻した子供時代を過ごした家も、手放さなければいけない瀬戸際にきている。そんな折、好調な製紙会社の面接機会を得る。自分こそ適任者と自信満々だったが、やはり製紙会社を解雇されたボムモ(イ・ソンミン)や、シジョ(チャ・スンウォン)も面接を受けていると知る。
「ライバルがいなくなれば、仕事は手に入る!」と、マンスは衝撃の行動に出る・・・
マンスは高卒で入社後、通信教育で大卒の資格も取った努力家。シングルマザーのミリにプロポーズする勇気も持ち合わせ、連れ子のシウォンもわが子のように可愛がっています。製紙業界の栄誉である「今年のパルプマン賞」も受賞した有能な管理職のマンスは、経験を活かせる製紙会社に再就職することにこだわっています。
強力なライバルのボムモもまた、製紙業界の大ベテラン。首になってから、気が抜けたような暮らしぶりで、妻から、「失業は問題じゃない。解雇されたことにどう対処するかが大事」と呆れられています。妻にすれば、製紙会社にこだわらず、カフェを開いて、好きなレコードをかけて暮らせばいいのにという次第。イ・ソンミンのこれでもかという情けない姿が見どころです。もう一人のライバル、シジョは靴屋で働いていますが、気が進まないのか、いつもうつむきがち。これまで精力的な役が多かったチャ・スンウォンとは思えないおとなしい役柄です。
ほかに、オ・ダルスが刑事役、キム・ヘスクが、マンスが屋上で植木鉢を抱える場面で大家のおばさん役で出てきたりと、脇役も楽しいです。
私自身、勤続24年半で希望退職(私じゃなく会社の希望です!)で辞めた経験があるので、この物語は身に沁みました。会社にしがみつかなくても、結果的には思わぬ展開があって、私にとっては良い転機だったのですが、家族を抱えている方たちには突然の失業はやっぱり大変ですね。マンスも製紙会社にこだわらずに、妻ミリがいうように、好きな植木を仕事にすることも考えればいいのにと思いました。
本作の最後に、原作ウェストレイク著「斧」を映画化した『斧』(2005年)のコスタ・ガヴラス監督に捧ぐとありました。観たはずですが、記憶の彼方。(咲)
『しあわせな選択』というタイトルだが(原題の意味は「仕方がない」らしい)、観てみると全然イメージが違う。コメディなのかホラーなのか。こんなイ・ビョンホン見たことがない。ソン・ガンホだったら、こういう役がピッタリだと思うけど、イ・ビョンホンのこういう役、最初は似合わないと思った。でも、後半になったら、ニヒルなイ・ビョンホンもいいけど、こんなコメディタッチなイ・ビョンホンも楽しい。他の出演者たちもけっこう豪華、見知った役者さんがたくさん。
今の時代、製紙業界はネットの普及で本など印刷物が減り、不況になっているのでしょう。時代の変遷だと思うけど、そこで25年働いていたとはいえ、他の人を蹴落としてまでへばりついて同じ業界内で働いても、また、リストラに会うかもしれないね。見切りをつけて違う方に進んだ方がいいんじゃないと思ってしまった。私自身、現像所に勤めていたことがあるけど、デジタルの時代になり、10年くらいの間に現像所がなくなった経験がある。最期の選択が、しあわせへの選択ということかな。しあわせになったのかな(暁)。
2025年/韓国/韓国語・英語/カラー/スコープサイズ/139分
日本語字幕:根本理恵
配給:キノフィルムズ/提供:木下グループ
公式サイト;https://nootherchoice.jp/
★2026年3月6日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
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