2026年01月31日

ツーリストファミリー(英題:Tourist Family)

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監督・脚本:アビシャン・ジーヴィント
撮影:アラヴィンド・ヴィシュワナーダン
音楽:ショーン・ロールダン
編集:バラト・ヴィクラマン
出演:シャシクマール(ダース)、シムラン(ワサンティ)、ミドゥン・ジェイ・シャンカル(ニドゥ)、カマレーシュ・ジャガン(ムッリ)、ラメーシュ・ティラク(バイラヴァン巡査長)、ヨーギ・バーブ(ブラカーシュ)

スリランカからインドに密入国をはかる一家、夫のダース、妻のワサンティ、2人の息子ニドゥとムッリの4人。スリランカでの貧困から抜け出すため非合法な難民となった彼らは、船に乗り闇にまぎれて海岸に到着した。ワサンティの兄ブラカーシュの助けで、チェンナイに住むことになった。ニセの身分証を作り、密入国がバレない様に近所との接触に気をつけろと兄から申し渡され、新生活が始まる。しかし、素朴で気の良い一家は、つい近所とも関わってしだいに溶け込んでいく。そんな中、テロ事件を血眼で追っている警察の捜査の手が彼らに伸びてきた。

スリランカの内戦は26年にもおよび、困窮した人々が隣国のインドへと逃れました。悲惨なストーリーになるのかと身構えましたが、そうではありませんでした。海岸で警察に遭遇した時の次男の対応に笑ってしまい、今後の方向が見えて安心しました。様々な問題が起きてきて、一騒動あるのですが。身分を偽らず、正直に生きたいと願う父親、誰にでも優しく手を差し伸べる母親、ご近所さんたちの対応も変わっていきます。労働力は歓迎しながらも、難民受け入れには厳しい日本を顧みると、こうなったらいいのにと思ってしまいます。
監督・脚本のアビシャン・ジーヴィント、記念すべき長編デビュー作です。それまではyoutuberとして、短編の動画を発表して好評だったそうですが、映画業界の経験はないとか。それなのにこのデビュー作ができちゃうんですね!2作目が待たれます。監督はダース一家の近所で迷惑がられている酒浸りの青年役で出演もしています。もう一つ注目なのは、ダースやワサンティの使うスリランカなまりの言葉。字幕担当の方が苦心されたのでしょう。こんな風に聞こえるのか!と、とても面白かったです。日本の方言も外国ではなんと訳されるのか、気になるところです。(白)


チェンナイは、タミル・ナードゥ州の州都で、英領インド時代マドラスと呼ばれていた都市。タミル・ナードゥ州の公用語はタミル語。スリランカからやってきたダースたち一家はタミル語が母語なので、言葉の面であまり苦労せずに済みそうですが、基本は同じながら表現や語彙が違うのでしょう。スリランカから来たとは言えないので、お隣りのケーララ州から来たことにするのですが、わかる人にはスリランカ訛りのタミル語とわかるのですね。そこが、この物語の大事なポイント。
ダースたちが住むことになった家の大家さん一家、ダースが運転手として試用されることになった金持ちのリチャード氏、ご近所の仲睦まじい老夫婦等々、まわりの登場人物も丁寧に描いていて、それぞれに物語があって、なんどもほろりとさせられました。(咲)



2025年/インド/タミル語/シネスコ/カラー/127分
配給:SPACEBOX
公式サイト:https://spaceboxjapan.jp/touristfamily/
★2026年2月6日(金)シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー




posted by shiraishi at 20:19| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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