2026年01月04日
ぼくの名前はラワン 原題:Name Me Lawand
監督・脚本:エドワード・ラブレース
撮影監督:ベン・フォーデスマン
音楽:トム・ホッジ
出演:ラワン・ハマダミン
イラクで暮らすクルド人の少年ラワンは、生まれつき耳が聞こえない。ラワンが5歳の時、両親は国外への移住を決断。家族は数カ月を難民キャンプで過ごした後、支援者の協力を得て、ようやくイギリスの都市ダービーに安住する。その後、ラワンはダービー王立ろう学校に通えることになり、少しずつイギリス手話と口話を学び始める。みるみる上達するラワンは、やがて周囲と同じように手話だけで生きていく道を選ぶ。兄もラワンと意思疎通するため手話を学び始めるが、イラクでは手話だけでは人として対等に扱われないため、両親は息子の選択に不安を抱いていた。手話を嫌がる両親にラワンがいら立ちを募らせる中、一家が申請していた難民認定について内務省の審査が始まる・・・
生まれつき耳が聞こえないラワンは、両親とも意思の疎通ができなくて、兄ラワだけが唯一の遊び相手でした。イラクではわが子に将来はないと、危険をおかして国を出る決断をした両親。イギリス手話を学べる王立ろう学校のあるダービーを安住の地に決めたのは大正解でした。学校で、ラワンは音楽を愛するソフィー先生に出会います。やはり、ろう者で孤独な幼少期を過ごしたソフィー先生と心を通わせるようになります。めきめきとイギリス手話を修得し、自分の気持ちを伝えることができる手段を得たことで、ラワンの表情はきらきらと輝いていきます。兄ラウも手話を学び、弟と会話。口話の習得を望んでいた両親もずいぶん後になって、イギリス手話を習い始めます。
エドワード・ラブレース監督は、2019年にラワンたち一家がダービーに到着した際に、ある写真家が撮った写真を偶然観て、身の上を知り、ろう学校に訪ねていったのが、この映画に至るきっかけでした。まず、イギリス手話を習って、ラワンと意思疎通できるようになり、信頼を得てからラワンの日常を撮り始めました。4年にわたる記録には、内務省から国外退去を命じられるというつらい出来事も。さて、一家の運命は?
両親にとっても母国語が通じないイギリスで、思うようにコミュニケーションが取れないこともあると思います。聴者であれ、ろう者であれ、笑顔で相手に心を開くことが、交流の第一歩でしょうか。ラワンの溢れんばかりの笑顔に、周りの人たちも心を開いたのだと感じました。(咲)
我が子が聞こえないとわかったら、親はなんとかして意志疎通を図るものじゃないの?とまず思ってしまいました。いちばんわかってほしい相手なはずです。いろいろあって、イギリスへ向かいラワンは手話を学べたのだから結果オーライなのですが、寂しい幼児期を過ごしたラワン、お兄ちゃんがいてくれて良かったです。
すぐ思い浮かんだのが『うたのはじまり』(2020年)、プロのカメラマン・エッセイストの齋藤陽道(さいとうはるみち)さんのドキュメンタリーです。家族の中で一人だけろう者で、当時のろう学校では口話。のちに手話を覚えて言葉の世界を手にした喜びが共通していました。(白)
2022年/イギリス/クルド語・英語・イギリス手話(BSL)/90分/16:9/2.0ch
日本語字幕:杉山緑/バリアフリー字幕:戸田紗耶香/日本語字幕及びバリアフリー字幕監修:那須映里、サミュエル・アッシュ
提供:ニューセレクト
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
公式サイト:https://lawand-film.com
★2026年1月9日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください


