ネリー・カプラン Nelly Kaplan
1931年4月11日、ブエノスアイレスに生まれる。大学では経済学を学ぶ。パリでフィルムアーキビスト、新聞記者を経て、1954年、フランスの無声映画界の名匠アベル・ガンス監督に出会い、映画製作の道へ。短編、ドキュメンタリー映画を監督したのち、1969年初長編『海賊のフィアンセ』が公開、以後映画のほかにテレビ作品の脚本も手掛ける。著作も多数。2020年11月12日、新型コロナウイルスに罹患し、死去。
ネリー・カプラン監督の作品をこのたび初めて知りました。全然古くありません。どのヒロインたちも強くて、明るくて、アハハと笑えて元気に映画館を後にできます。(白)
配給:グッチーズ・フリースクール
https://www.nellykaplan.jp/
★2025年12月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次公開
(C)1969 Cythère films – Paris
『海賊のフィアンセ』(原題:La fiancée du pirate)
監督:ネリー・カプラン
脚本:ネリー・カプラン、クロード・マコフスキー、ミシェル・ファブル
撮影:ジャン・バダル
音楽:ジョルジュ・ムスタキ1
出演:ベルナデット・ラフォン(マリー)、ジョルジュ・ジェレ、アンリ・ザルニアック、クレア・モーリア、ジュリアン・ギオマール、パスカル・マゾッティ、ジャック・マラン、ミシェル・コンスタンタン、ルイ・マルほか
マリーは子どものころ母と身を寄せた村で、村人たちの手伝いをしてほそぼそと暮らしてきた。美しく成長したマリーに男たち(農場主の女性も)の目が注がれるようになったころ、母がひき逃げに遭い亡くなってしまった。おまけに可愛がっていたヤギまで殺されてしまう。独りぼっちになったマリーは、それまでの差別や理不尽な扱いを我慢しない!と反撃に転じる。
「もうタダじゃない!」と男たちから現金や金目のものを受け取り、「売春」を始めたマリーは散財して家の中をモノで飾り立てました。ドレスを買い、念入りにメイクしたマリーはますます綺麗になり、男たちが通ってきます。手に入れたテープレコーダーで会話を録音。証拠もバッチリです。「夫泥棒!!」と妻たちは罵り、泣きくれます。復讐を果たしたマリーは家を焼き、ハイヒールを脱いで新しい人生に旅立ちます。(白)
1969年製作/107分
(C)1971 Cythère films – Paris
『パパプティバトー』(原題:Papa les petits bateaux...)
監督:ネリー・カプラン
脚本:ネリー・カプラン、クロード・マコフスキー、ルネ・ギョネ
原作:ジャン・ラボルド "Bande de raptés
撮影:リカルド・アロノヴィッチ
音楽:アンドレ・ポップ
製作:ネリー・カプラン、クロード・マコフスキー
出演:シーラ・ホワイト、ミシェル・ブーケ、ジュディット・マーレ、ミシェル・ロンズデール(マイケル・ロンズデール)、ピエール・モンディ、シドニー・チャップリンほか
大富豪の令嬢クッキーは今日もご乱心。走るスポーツカーから、服を一枚一枚脱いでは放り投げ、タオル一枚になって逮捕されてしまった。。また新聞種になってしまうがどこ吹く風。そんな彼女をギャングが狙い、父親に身代金を要求した。クッキーは間抜けなギャングたちを一人ずつ誘惑し、味方にしてしまう。
ポスターのとおり「変顔」得意なクッキーをイギリス人女優のシーラ・ホワイトが演じてとてもチャーミングです。フランス語ネイティブではないので、余計に可愛らしく聞こえるようです(違いがわかりません)。ギャングはみんなひどい目に遭うのですが、あくまでも明るくコミカルに進んでいき、クッキーの頭の良さと百面相が印象に残ります。(白)
1971年製作/102分
© 1979 Cythère films - Paris
『シャルルとリュシー』(原題:Charles et Lucie)
監督:ネリー・カプラン
原案:ジャン・シャポー
脚本:ネリー・カプラン、ジャン・シャポー、クロード・マコフスキー
撮影:ジルベール・サンドス
音楽:ピエール・ペレ
出演:ダニエル・チェカルディ、ジネット・ガルサン、ジョルジュ・クレース、ネリー・カプランほか
シャルルとリュシーの老夫婦は慎ましい生活を送っていた。そこへ弁護士と名乗る男性が訪れ、遠い親類が亡くなって南仏の豪邸が遺産として遺されたと告げる。大喜びで事務所へ赴き、言われるままに相続のための費用を作る。思い出のある家具もみんな売り払い、遺産の一部という高級車に乗り込んで出かけた二人…。目当ての住所には小さなあばら家があっただけ。電話はすでにつながらなくなっていた。
最近この手の話には敏感になっている我々はすぐに眉に唾をつけるはず。そうなんです!アレです!
踏んだり蹴ったりの目に遭った二人は喧嘩しながら、どこかを目指して進んでいきます。思ってもみなかった展開で、ストーリー運びがうまいなあと感心。ネリー・カプラン監督が旅の途中で出会う占い師役で出演。(白)
1979年製作/98分
(C)1991 Cythère films - Les studios de Boulogne - Pathé cinema
『愛の喜びは』(原題:Plaisir d'amour)
監督:ネリー・カプラン
脚本:ネリー・カプラン、ジャン・シャポー
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
音楽:クロード・ボラン
出演:ピエール・アルディティ、フランソワーズ・ファビアン、ピエール・デュクス、ドミニク・ブラン、セシル・サンス・デ・アルバ、ハインツ・ベネント、ジャン=ジャック・モローほか
文学者ド・ビューラドールは、南国の孤島へ降り立った。裕福な一族の家庭教師の仕事を得る予定だ。現れた雇い主は三世代の3人の女。ドー、その娘クロ、クロの娘ジョー。生徒はジョーの妹で13歳のフロだが、外国にいるという。それぞれ魅力的な三世代の女たちは、新任家庭教師を誘惑していく。
お屋敷には男性の運転手と料理人がいるだけ。伴侶らしい男性は見当たらず、尋ねても私たちだけと当然のように返されます。ド・ビューラドールは、自分の魅力で彼女たちが近づいたと自惚れています。パーティに男性客が来てそうではないことに気づかされます。行儀よく、すましていたビューラドールの外側が次々と剥がれ落ちていくさまは、おかしくて少し悲しくて、やっぱりおかしいです。(白)
1991 年製作/106 分


