監督:坂本欣弘
脚本:伊吹一、坂本欣弘
撮影:米倉伸
音楽:黄永昌
出演:渡辺真紀子(八木由起子)、陣野小和(鶴野沙梨)、木竜麻生(吉田夏葉)、室井滋(由起子の叔母)、吉岡睦雄(タクシー運転手 細田)、岩瀬亮(大橋 美術館上司)、山口 詩史(定食屋女将)、岩谷 健司(眼科医)
八木由起子は15年前幼くして亡くなった娘の墓参りに来た。一緒にきた叔母が「生きていたら」と死んだ子の年を数える。美術館に勤め、一人つつましく暮らしている由起子は展示を開設する声に耳を傾け、立山信仰の「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ) 」という儀式を知った。
3年に1度開催され、今年がその年。心惹かれて参加を決め、訪れたその地で高校生の沙梨や同じように一人参加している夏葉に出会う。
白装束をまとい目隠しをした参拝者は、手を引かれてこの世とあの世をつなぐ赤い橋を渡る。由起子の手を取ってくれたのが沙梨だった。
富山県の立山で3年に一度行われる女人救済の儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ) 」をメインに、喪失を抱えた女性の再生のストーリーが描かれています。『真白の恋』『もみの家』など富山の物語を発表してきた坂本監督の最新作です。
いつも若いヒロインたちをしっかりと支える名バイプレイヤーの渡辺真紀子さん。どの作品でも渡辺さんのお顔が見えるとなぜか安心してしまいます。監督や出演者にもきっと絶大の信頼があるはず。本作では愛娘を亡くして深い後悔に沈んでいる母親として主演。静かな佇まい、少ないセリフで抱えている悲しみや癒えない傷が想像できます。
坂本欣弘監督のこれまでの作品も、どこかに傷や欠けがある人をそっと見守るような感じがしました。あれこれ詰め込まず、観客が大事なところを見逃さないように、静かに展開していきました。
今も修験道のため女人禁制の山はいくつか残ってるそうです。富士山、白山もかつてそうでしたが、明治時代に撤廃。立山の「布橋灌頂会 」は明治時代に一度途絶えたものの、1996年に復活。映画のように地元住民が支えて、今も伝統行事として女性たちの参加が継続しています。(白)
2025年/日本/カラー/94分
配給:ラビットハウス
(C)2025「無明の橋」製作委員会
https://mumyonohashi.com/
★2025年12月19日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国公開
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