2025年12月13日よりシアター・イメージフォーラム他で公開
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香港で暮らす60代のレズビアンカップルの話
『これからの私たち - All Shall Be Well』は香港の同性愛に対する法律の問題点や根深く残る差別を描き、ベルリン映画祭のLGBTQをテーマにした優れた作品に贈られるテディ賞を受賞。香港の深刻な住宅不足や就職難、経済格差などの問題も浮かび上がらせている。
同性婚が非合法の香港では遺言状がなければ、世を去ったパットの遺産をアンジーに継ぐ権利はない。力を合わせて築いた財産や2人で買った家であっても…。
監督・脚本・製作総指揮:楊曜愷(レイ・ヨン)
製作:マイケル・J・ワーナー、テレサ・クォン、サンディ・イップ、チョーウィー・リョウ
出演
パトラ・アウ(區嘉雯)
マギー・リー(李琳琳)
タイ・ポー(太保)
フィッシュ・リウ(廖子妤)
60代のレズビアンカップル、アンジーとパットは長年支え合い、睦まじく生きてきた。事業や交友関係も良好で、穏やかで安定した日々を送っていた。アンジーはパットの親族である兄とその妻と甥、結婚して2人の子供を育てる姪とも親しく付き合ってきた。これから新しいビジネスを始めて人生の次のステップを踏み出そうとしていた矢先にパットが急死してしまう。
パットが急死したことで、葬儀や遺産をめぐって、それまで良好だったパットの家族とアンジーの間に溝が生まれてしまった。二人が住んでいたマンションがパット名義だったため、香港の法律に従い、親族である兄がパットの遺産を相続することになり、「法定相続人」でないアンジーは、これを巡って争うことになる。パットとの思い出が詰まったマンションを終の住処と考えているアンジーにとって、到底受け入れることができない。愛する人を失い悲嘆に暮れるアンジーの前に、立ち塞がる法律の壁と理解してくれていると信じていた親族が持っていた根深い偏見。暮らし向きの厳しいパットの兄夫婦とその子供たちも、それぞれの事情をかかえて葛藤していた。
HPより
同性カップルだけではなく、事実婚カップルや、1人で老いる不安を抱えるシングルにとっても、他人事とは思えないテーマを映画にしたのは、『ソク・ソク』 で長年抑圧されてきた同性カップルの老年の愛を描いて高く評価されたレイ・ヨン監督。アンジーの複雑な心情を繊細かつ力強く演じるのは、『ソク・ソク』で香港金像奨助演女優賞に輝き、話題作への出演が続いているパトラ・アウ。パット役には30年以上も銀幕から遠ざかっていたマギー・リーが起用され、短い出番ながらも、颯爽として自立したキャラクターを鮮烈に立ち上がらせている。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で日本でも人気急上昇中のフィッシュ・リウが重要な役回りを果たすパットの姪を好演している点も注目。
今年3月に開催された「大阪アジアン映画祭」でこの作品を観たが、この3月の映画祭(8月にも大阪アジアン映画祭があった)ではLGBTを題材にした作品が何本か上映され、親族でないため重症の恋人の病床を見舞うことができない話とか、相続に関する話とか、こういう問題を投げかけていた。
70代半ばのシングルである私が、この作品も含めて思ったことは、同性婚カップルやシングルの人は、いつ急死してもいいように、遺言を遺しておくことの必要性だった。「遺言書」なんてお金持ちだけが必要なものと思っていたが、自分の思いを文書で残しておくことの重要性を、いくつかの作品から思った。最初に、アンジーやパットを始め、熟年世代の香港のレズビアンたちの優雅な世界や、交流などが描かれ、現実にそういうのがあるのだったらすごいとも思うけど、現実はどうなのだろうか…(暁)。
公式HPはこちら
2024年 / 香港 / 広東語 / 93分 / 2.35:1 / カラー / 5.1ch
協力:大阪アジアン映画祭、パレットーク、Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
配給:Foggy
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