監督:久慈悟郎
原作:武田一義「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」(白泉社)
脚本:西村ジュンジ
キャラクターデザイン、総作画監督:中森良治
アニメーション制作:シンエイ動画、冨嶽
音楽:川井憲次
主題歌:上白石萌音「奇跡のようなこと」
声の出演:板垣李光人(田丸均)、中村倫也(吉敷佳助)
太平洋戦争末期の昭和19年。パラオの群島のひとつ、ペリリュー島で軍務にあたっていた、21歳の田丸均一等兵。漫画家志望の田丸はその才を買われて、「功績係」を命じられた。戦死した兵士の家族へその最期の姿を書き送るというものだ。遺族たちは立派な功績があったとしてその死を受け入れるよすがとなる。時には嘘も交えて美談の英霊が誕生する。
田丸は同年齢だが頼りになる上等兵の吉敷と知り合い、過酷な日々の中で大きな支えとなった。南方戦線では圧倒的な戦力を誇る米軍のため、日本軍は追い詰められ次々と玉砕した。軍部はペリリュー島を時間稼ぎのための盾とし、玉砕を禁じた。持久戦を強いられ、田丸たちは米軍の猛攻と、伝染病、飢餓に苦しめられていく。
終戦80年記念作品。ペリリュー島の戦いは米軍にとって、初めの予想を大きく裏切った長期戦となりました。ほんの数日で落とせるだろうと踏んだのが、9月15日から2か月半にも及んだのだそうです。約一万人いた日本兵で生き残ったのはわずか34人。最新・最強の軍備の米軍も1600人以上が死亡。島には今も日本兵の遺骨が収容されないまま眠っているとか。
戦争が題材にも関わらず漫画がヒットして多くの若者に読まれたのは、絵柄と史実に基づいたリアルなストーリーゆえでしょう。読者と同じ年ごろの若者が、戦争が日常だった中で壮絶に戦い、懸命に生きていたと一コマごとに突きつけられます。実写で表現されたならあまりに辛くて観ていられなかったかもしれません。アニメ作品となってより身近に感じられます。
田丸と吉敷の二人を通じて、国にいる家族を守ることだと信じて戦場に赴いた兵士たち、生きて帰りたいと望みながら亡くなった兵士たちに想いを馳せてください。これは80年ほど前の日本の話ですが、現在も戦火の中で暮らす人たちがいることも思い出して。(白)
☆原作コミックの試し読みはこちら
2025年/日本/カラー/106分/PG12
配給:東映
(C)武田一義・白泉社/2025「ペリリュー 楽園のゲルニカ」製作委員会
https://peleliu-movie.jp/
★2025年12月5日(金)より絶賛上映中
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