『赤い風船』『白い馬』の初公開から70 年。
48 歳という 若さで、イランのテヘラン郊外でヘリコプターでの撮影中の事故でこの世を去った伝説の映像詩人アルベール・ラモリス。 彼の名作『赤い風船』『白い馬』の2作品が、時を経て4Kで蘇りました。2本立てで上映されます。
また、『赤い風船』『白い馬』4K版初公開を記念して、<映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界>として、 『小さ なロバ、ビム』『素晴らしい風船旅行』『フィ フィ大空をゆく』の3作品が一挙公開されます。
配給:セテラ・インターナショナル
公式サイト:https://akaifuusen4k.com/
★2025年11 月 14(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
映画監督 アルベール・ラモリス Albert Lamorisse
(1922年1月13日-1970年6月2日)
フランス、パリ生まれ。IDHEC(高等映画学院)の聴講生となり、写真家としても活躍。47年、短篇ドキュメンタリー“Djerba(ジェルバ)”で映像作家としてデビュー。49年に、同じジェルバ島で撮影された劇映画第1作『小さなロバ、ビム』を監督する。詩人ジャック・プレヴェールに見出され、新たにプレヴェールがナレーションを加え、51年公開された。
53年に劇映画第2作『白い馬』を監督し、カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)を始め数々の賞を獲得する。56年『赤い風船』にもカンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)、アカデミー賞®脚本賞を始め映画賞を多数受賞。アルベール・ラモリスの名声は世界に広がり、多くのファンが生まれた。
60年、ヘリコプターに耐震装置をつけた「ヘリヴィジョン」を発明し、長編劇映画第1作となる『素晴らしい風船旅行』を監督する。『赤い風船』と同様に息子のパスカルをふたたび主演にし、フランス全土を横断し撮影した。65年、時計泥棒の青年が、天使のように空を飛ぶロマンティックなファンタジー『フィフィ大空をゆく』を監督、「ヘリヴィジョン」が活躍した。
1970年、ドキュメンタリー“Le vent des amoureux(恋人たちの風)”の撮影のため、イランのテヘラン郊外をヘリコプターで飛行中に事故に遭い、湖に落下し、48歳で死去する。世界中でその若すぎる死が惜しまれた。“恋人たちの風”はアルベールの製作ノートに基づいて未亡人が完成させて、78年に公開された。 (公式サイトより)
『赤い風船 4K』 原題:Le Ballon Rouge ★4K 版日本初公開
© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ、ヴラディミー ル・ポポフほか
パリの街を漂う不思議な赤い風船と出会った少年の物語
ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。放課後、風船を持って家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。風船と友達になったパスカル。いじめっ子たちが、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とパ リの街を逃げ回る・・・。
パリ 20 区、アーティストが多く集うメニルモンタンが舞台。少年と風船の心の交流に優しさが溢れる。パリの街並みに映える赤い風船の色彩、CG や機械仕掛けでもない撮影技術が素晴らしい。
今から約70年前のパリの街。 パリには行ったことはないけれど、昨年のパリオリンピックの折に、観た空から映したパリの街が重なりました。古い伝統的な家並みも大事にしていそう。
真っ赤な風船がパスカルの気持ちに寄り添うように舞い、パスカルもまた、雨が降れば、風船を傘に入れてあげます。いったいどうやって撮影したのかと思うのですが、なんの仕掛けもしていないというのが凄いです。(咲)
2008年7月26日公開時のシネジャ作品紹介
第 29 回アカデミー賞®脚本賞受賞 第 9 回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)受賞 1956 年度ルイ・デリュック賞受賞
1956 年/フランス/仏語/35 分/カラー/スタンダード
字幕:星加久実
『白い馬 4K』 原題:Crin Blanc ★4K 版日本初公開
© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:アラン・エムリー、パスカル・ラモリス、ローラン・ロッシュ、フランソワ・プリエほか
南仏カルマグ地方を舞台に、荒々しく気高い白い馬と漁師の少年の友情
南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコは、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが・・・。
カマルグは特異な自然環境が独自の生態系を育む大湿地帯で、国立自然保護地域に指定されている。実在する馬たちをモデルに作られた物語で、馬はこの神秘的な場所を象徴する存在。少年と馬の美しき友情に感涙。
モノクロの作品。白い馬が引き立ちます。リーダー的な白い馬を執拗に追う牧童たち。少年フォルコが優しく見守ります。フォルコが白い馬を引いて歩く姿が湖に逆さに映る場面の美しいこと!
2008年7月26日公開時のシネジャ作品紹介
第 6 回カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)受賞 1953 年度ジャン・ヴィゴ賞受賞
1953 年/フランス/仏語/40 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:星加久実
『小さなロバ、ビム 4K』原題: Bim le petit âne *日本劇場初公開
© Copyright Films Montsouris 1951
監督・脚本:アルベール・ラモリス
共同脚本&語り:ジャック・プレヴェール
島一番の美しいロバと貧しくも優しい少年の物語
はるか昔、東の国のある島。子供たちひとりひとりがロバを飼う習慣があった。ビムは最も美しいロバで、アブダラがその飼い主だったが、アブダラはとても貧しかった。意地悪な領主の息 子メサウドは、美しいビムに一目惚れし、アブダラからビムを奪い取った。連れ去れたビムを取り返そうと、アブダラは勇敢にも領主の屋敷に忍び込むが、護衛に見つかり牢に入れられてしまう・・・。
北アフリカ、チュニジアのジェルバ島で撮影。当初、商業性が薄いと却下 されたが、詩人ジャック・プレヴェールに再発見され、ナレーションを追加し公開された。ロバと少年たちが愛らしく輝く、隠れた傑作。
アブダラは貧しくて、ロバのビムにハチミツのお菓子も買ってあげられないのですが、心優しい少年で、ビムをとても大事にしています。かたや、領主の息子メサウドは意地悪でロバたちから嫌われていて、従うのは老ロバのみ。そんなメサウドがビムを力づくで自分のものにして、白いペンキを塗ったり、耳を切ろうとしたりします。お屋敷に忍び込んで囚われの身になったアブダラのことをビムが慕っている姿を見て、メサウドは反省し、その後は心を入れ替えるというめでたしめでたしの物語。
撮影地チュニジアのジェルバ島の真っ白な建物が青空に映えて美しいです。
ジェルバ島といえば、紀元前6世紀に設立されたとされるシナゴーグがあって、古くからユダヤ人がアラブ人やベルベル人などと共存して暮らしていたところ。今は、イスラエルやフランスに移住してかなり人口は減っているそうですが、この映画が撮影された頃には、10万人ものユダヤ人がいたようです。そして、ジェルバ島は、2023年9月に世界遺産に登録されました。撮影されたころの面影は健在でしょうか・・・ いつか訪れてみたい地です。 (咲)
1951 年/フランス/仏語/55 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:星加久実
『素晴らしい風船旅行 4K』 原題:Le Voyage en Ballon *4K 版日本初公開
© Copyright Films Montsouris 1956
監督・空中撮影:アルベール・ラモリス
撮影:モーリス・フェルー、ギイ・タパリー
音楽:ジャン・プロドロミデス
出演:パスカル・ラモリス、アンドレ・ジル、モーリス・パケほか
祖父と少年の壮大な夢、空飛ぶ冒険の旅
パスカルの祖父は学者で、気球を発明し、フランス中を旅する計画を立てていた。なんとしても冒険がしたいパスカルは、こっそりゴンドラにしがみつき、気球に乗り込む。北フランスのベテューヌを出発し、パリを通過、ブルターニュから南へ。次々と災難に見舞われるが、 アルプスを越え、ニームで海水浴を楽しむ。しかし、闘牛場での一時着陸の際に、気球はパスカルひとりを乗せたまま空に上がり、みな 大慌てする・・・。
ヘリコプターに耐震装置をつけた「ヘリヴィジョン」を使用して撮影。パリをはじめ、フランス全土の風景を気球に乗った 人の視点で楽しめる。『赤い風船』と同様に息子パスカルが主人公で、祖父と少年の冒険に心温まる。助監督にジャック・ドゥミが参加。
いつ観たのかは覚えていないのですが、カッパドキアの気球が流行るよりもずっと前のこと。自由自在に気球を操れることを、とても不思議に思ったものでした。空から眺めるフランス各地の景色が素敵です。工場のある町を飛び立った気球は、ストラスブールの大聖堂、パリに戻ってエッフェル塔や凱旋門、シュノンソー城、帆船がたくさん浮かぶ海、そして村の結婚式の宴に。さらに、モンブランから、海沿いの街へ。『白い馬』に出てきたカマルグの牛や馬の群れも出てきました。多様なフランスの姿を空からたっぷり楽しませてくれました。(咲)
第 21 回ヴェネツィア国際映画祭 国際カトリック映画事務局賞受賞
1960 年/フランス/仏語/84 分/カラー/スコープ
『フィフィ大空をゆく 4K』 原題:Fifi la Plume *4K 版日本初公開
© Copyright Films Montsouris 1956
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:ピエール・プチ、モーリス・フェルー
音楽:ジャン・ミシェル・ドフェイ
出演:フィリップ・アブロン、ミレイユ・ネーグル、アンリ・ランベール、ラウール・ドルフォスほか
天使に扮した泥棒とサーカスの女性とのロマンティック・ファンタジー
フィフィは邸宅から時計を盗み、サーカス団に逃げ込む。支配人は彼を警察には突き出さず、鳥人間に仕立てようとする。背中に羽をつけ空中を飛ぶ危険な演目だ。団員のミミに一目惚れし練習をはじめたフィフィは、空中を飛べるようになり、天使のふりをして時計を盗みミミにプレゼントをする。しかし、ミミに想いを寄せる猛獣使いと喧嘩になり、サーカスは崩壊。警察の追跡がはじまり、フィフィは空高く舞い上がる・・・。
人間がもし鳥のように自分の羽で空を飛べたなら・・。神話のイカロスの夢を再現。監督が 12 年間もアイデアを温めて製作した夢とユーモア溢れるロマンティック・ファンタジー。公開時には日本でも大ヒットを記録した。
フィフィはアンティーク時計にこだわる泥棒。そんな彼が逃げ込んだサーカス団で、鳥人間の訓練を承諾したのはミミという女性に惚れたからでした。そのミミにプレゼントする為に、また時計を盗みに行くのですから呆れます。でも、練習の甲斐あって、自由自在に飛べるように! 自転車に乗って飛ぶ場面もあって、これまたどうやって撮影したの?と。
一度付けたらはずせないといわれていた天使の羽根を、最後に切られてしまいます。それが思いもかけない展開♪ (咲)
第 18 回 カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞受賞
1965 年/フランス/仏語/78 分/白黒/スタンダード
日本語字幕:横井和子


