2025年10月26日

ひとつの机、ふたつの制服   原題:夜校女生  英題:The Uniform

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監督:ジュアン・ジンシェン(荘景燊)
出演:チェン・イェンフェイ(陳妍霏)、シャン・ジエルー(項婕如)、チウ・イータイ(邱以太)

1997年台北。受験に失敗し、強引な母の勧めにより名門女子校「第一女子高校」の”夜間部”に進学した小愛(シャオアイ)。同じ教室で同じ机を使うことになった全日制の成績優秀な生徒、敏敏(ミンミン)と、小愛は机に手紙を入れるやりとりから“机友(きゆう)”=デスクメイトになる。夜間と全日制。制服は同じでも、胸の刺繍の色が違う。ある日、小愛は敏敏から学校をサボるために制服を交換することを提案され、次第に、小愛が敏敏からもらった全日制の制服を来てふたりで遊びに行くようになるなど行動は徐々にエスカレートしていく。
小愛はバイト先の卓球クラブで知り合った名門男子校の路克(ルー・クー)に密かに憧れていたが、敏敏もまた同じ塾に通う路克に想いを寄せていることを知ってしまう・・・

『あの頃、君を追いかけた』(2011)のギデンズ・コー監督が絶賛していますが、本作もまた、高校時代を思い出して胸がキュンとなる物語。 
私の高校にも定時制があって同じ教室を使っていましたが、定時制の方との交流は残念ながらありませんでした。でも、教科によって教室を移動した時に、憧れの君の机を狙って座った記憶が・・・  (はい、手紙を残しました!)
本作の脚本は、脚本家のシュー・フイファンが、⾃ら北⼀⼥中の「進修補習学校」に通っていた体験をもとに書いたもの。90年代の台北がぎっしり詰まった映画です。
小愛はニコール・キッドマンに憧れていて、叔母さんの経営するレンタルビデオ店で働く男性に、彼女への英語の手紙を書いてもらうというのも、90年らしい設定。 今やレンタルビデオも、手紙を書くということもなくなってしまいました。
この映画で強烈な印象を残したのが、小愛のお母さん。シングルマザーで、小学生相手に私塾を経営しているのですが、徹底した節約は料理のメニューにも反映されていて、思わず笑ってしまいます。
また、小愛のクラスメートで、一度社会人を経験して勉学の大切さを知って入学した3~4歳年上の于澄月(ユー・チョンユエ)の存在も光っています。大人びていて、とてもクール。進学した先がロシア語科というのも彼女らしいと唸りました。(咲)


2024年/台湾/5.1ch/2:1/カラー/中国語/109分
配給:ムヴィオラ、マクザム
公式サイト:https://www.maxam.jp/hitofuta/
★2025年10月31日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺 ほか全国順次公開



posted by sakiko at 20:18| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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