2025年10月17日
ミーツ・ザ・ワールド
監督:松居大悟
原作:金原ひとみ
脚本:國吉咲貴、松居大悟
撮影:塩谷大樹
音楽:クリープハイプ
出演:杉咲花(三ツ橋由嘉里)、南琴奈(鹿野ライ)、板垣李光人(アサヒ)、蒼井優(ユキ)、渋川清彦(オシン)、筒井真理子(由嘉里の母)、くるま(奥山譲)、加藤千尋(高藤恵美)、和田光沙
擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぐ27歳の由嘉里。推し活・腐女子仲間たちは、最近結婚・出産などの理由で次々と離脱していく。自分だけがこのまま仕事と趣味だけで生きていくのかと突如焦りと不安を感じてしまった。これまで見向きもしなかった婚活を始めてみた。覚悟をもって飛び込んだ初めての合コンは惨敗、歌舞伎町で酔いつぶれていたところをキャバ嬢のライに助けられる。
ライは由嘉里を自室に連れ帰り、寝かせてくれていた。目覚めた由嘉里はすっかりライに惹かれ、ルームシェアすることになった。これまでの由嘉里の世界とは無縁だった人々にライつながりで次々と出会ったことで、狭かった視界が拡がり歌舞伎町での生活に彩りが加わる。
ライは由嘉里の推し活話を面倒がらずに聞き、淡々と付き合ってくれるが「希死念慮(死にとらわれること)」は抱えたまま。由嘉里はライがなんとか変わらないものかと心を砕く。
由嘉里がはまっているのは、”焼き肉を擬人化”したものというのに???… 擬人化といえば「アンパンマン」もパンが動き、喋るし、子供たちの好きなキャラが生まれます。ゲームの「ウマ娘」とか「刀剣乱舞」もそうでした。由嘉里がやたら焼き肉の種類に詳しく、愛をこめて滔々と語り(可愛い)、ボイスキャストのライブまで行くのに自分のオタク遍歴を思い出しました(楽しかった)。
そんな世界に沼落ち+耽溺していた由嘉里が歌舞伎町で出会ったのは、既婚のNo.1ホストのアサヒ、人の死ばかりを題材にする毒舌作家ユキ、小さなBARのマスター、オシンです。おねぇキャラの渋川清彦さん優し気で、黙って包んでくれる雰囲気がありました。実在のお店で撮影したそうです。公開になったらお客ですぐいっぱいになりそうです。
ライは何の欲もなく、関心があるのは死ぬことだけというのが私にはよくわかりません(みんな必ずいつか死ぬのに)。ライの周りの人は見守っていますが、由嘉里はライを知るほどに止めなきゃと躍起になります。
『愚か者の身分』では生きたくてもがく3人が登場します。逃げないと殺される2人はまさに命がけ。繁華街を舞台にした真逆の話が同日に公開になるのも面白いです。ぜひ両方ともご覧ください。(白)
2025年/日本/カラー/126分
配給:クロックワークス
(C)金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
https://mtwmovie.com/
★2025年10月24日(金)より全国ロードショー
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