2025年10月04日

ホウセンカ

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監督・キャラクターデザイン:木下麦
原作・脚本:此元和津也
企画・制作:CLAP
音楽:cero/
声の出演:小林薫(阿久津実/現在)、戸塚純貴(阿久津実/過去)、満島ひかり(永田那奈子/過去)、宮崎美子(永田那奈子/現在)、安元洋貴(堤)、斉藤壮馬(若松)、村田秀亮[とろサーモン]、中山功太、ホウセンカ(ピエール瀧)

無期懲役囚の老人・阿久津。独房での孤独な死が近づいていた。そんなとき声をかけたのは人の言葉を操るホウセンカの花。“会話”の中で、阿久津はこれまでの人生を振り返った。
1987年夏。しがないヤクザの阿久津は兄貴分の堤の世話で、6歳年下の那奈と海沿いの町で暮らし始めた。生まれたばかりの那奈の息子・健介も一緒だ。ホウセンカが庭に咲くアパートの縁側からは、大きな打ち上げ花火が見える。3人は慎ましくも幸せな日々を送っていた。
やがて土地転がしのシノギに成功し、羽振りがよくなった阿久津は金遣いが荒くなり家を顧みなくなる。歓楽街で享楽的にすごしていたある日、事態は一変。阿久津は大金を工面する必要に迫られ、堤と共に組の金庫にある3億円の強奪を企てるのだった―。

『オッドタクシー』のクリエイタータッグ・木下麦✕此元和津也と『映画大好きポンポさん』『夏へのトンネル、さよならの出口』の制作スタジオCLAPの新作です。ホウセンカとヤクザという珍しい組み合わせです。ホウセンカの花の種は熟すとはじけ飛んで、その種が育って次の年も花が見られます。小さなアパートには縁側と小さな庭があり、毎年ホウセンカが咲きます。阿久津と那奈と健介の3人が幸せだったころの象徴のようです。
ホウセンカは「ろくでもない一生だったな」と死に行く阿久津に声をかけますが、本人の脳裏に浮かぶ幻影で心の声なのかと思いました。それが結構辛口で、若い阿久津はバカ呼ばわりされていますが聞こえません。「生まれかけ」と「死にかけ」の人間には聞こえるのだとか。
かなりドラマチックなストーリーなのですが、アニメーションがきつさを緩め、ファンタジーを信じさせてくれます。(白)


2025年/日本/カラー/90分
配給:ポニーキャニオン
(C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
https://anime-housenka.com/
★2025年10月10日(金)より公開

posted by shiraishi at 22:14| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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