監督:呉美保(お みぽ)
脚本:高田亮
撮影:田中創
音楽:田中拓人
出演:嶋田鉄太(上田唯士)、瑠璃(三宅心愛)、味元耀大(橋本陽斗)、蒼井優(上田恵子)、瀧内公美(三宅冬)、風間俊介(担任・浅井)
上田唯士(ゆいし)10歳、小学4年生。両親と3人家族のいたって普通の男の子だ。作文の発表のとき、唯士はトイレネタで笑いをとったが、三宅心愛(ここあ)は環境問題についての考えを滔々と述べ、先生にもはっきり意見を言った。唯士の気持ちはすっかり持って行かれてしまった。図書館で環境問題の難しい本を読んだり、偶然を装ったりして心愛に近づきたいと頑張っているが、彼女はクラスの問題児の橋本陽斗(はると)に惹かれているようす。いつのまにか3人は自分たちの”環境活動”をすることに。唯士はいいところを見せたいと張り切るが…。
このごろ子どもがメインでも暗い+怖い話もあったのですが、これは正真正銘普通の子どもたちが登場します。男の子が、ある女の子を好きになって、その気持ちどおりにすなおに進む、いや突っ走る明るいお話です。
主演の嶋田鉄太くんはテレビドラマでよく見かけます。ひょうきんだったり、わが道をいく子だったりですが、物語のキーマンです。監督の采配かいつも演技臭くありません。映画では『ちひろさん』『劇場版 それでも俺は、妻としたい』でも印象的で大事な役でした。
本作では、初めて恋する男の子唯士役。女の子の心愛が早熟でしっかりしているので、ほとんどのび太くんとしずかちゃんのようです。ドラえもんはいないので、唯士は一人でなんとかしないといけません。後半、走り出して止まらない3人は先生や母親たちと向き合うことになります。唯士の家庭は早くから出てきますが、心愛と陽斗の母親が初めて登場して、自分が出席した保護者会を思い出しました。三者三様でとても面白いシーンでした。
呉美保監督は『そこのみにて光輝く』(2014)の舞台挨拶で初めてお目にかかりました。『きみはいい子』(2015)以来、出産、子育てが一段落、久しぶりに映画に復帰されました。昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024)を観たばかりです。
お子さんがこのくらいに大きくなられたんですね。本作はオリジナルで10歳の男の子が主人公ですから、監督の想いもたくさん詰め込まれているはず。子どもたちの勢いに心配もあるけれど、こんな風にのびのび育ってほしいと思いました。(白)
2025年/日本/カラー/96分
配給:murmur
(C)2025「ふつうの子ども」製作委員会
https://kodomo-film.com/
★2025年9月5日(金)ほか全国ロードショー
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