2025年08月24日

ユニバーサル・ランゲージ   原題:UNIVERSAL LANGUAGE

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© 2024 METAFILMS

監督・脚本:マシュー・ランキン
脚本:ピローズ・ネマティ、イラ・フィルザバディ
撮影:イザベル・スタチチェンコ
音楽:パブロ・ビジェガス、アーミン・フィルザバディ
出演:ロジーナ・エスマエイリ、サバ・ヴェヘディウセフィ、ピローズ・ネマティ、マシュー・ランキン

舞台はペルシャ語とフランス語が公用語になった、“もしも”のカナダ・ウィニペグの町。
フランス語の授業に遅刻してきたオミード。「七面鳥にメガネを奪われた為」という父親の手紙を見せるも、先生は黒板の字が読めるようになるまで授業を受けさせないと、理不尽なことをいう。同級生のネギンとその姉ナズゴルはそんな彼に同情し、メガネを探して町を彷徨っているうちに、凍った水たまりの中にあるお札を見つける。このお金でメガネを買ってあげようと思いつく。氷の中からお金を取り出すために、金物屋に斧を借りにいくが、もう店じまいだし、図書館じゃないんだから貸せないとつれない。
そこに、町の奇妙な場所を観光スポットとして案内するツアーガイドのマスードや、仕事に嫌気が差して都会からウィニペグに久しぶりに帰ってきたマシューを巻き込み、大変なことに・・・。はたしてネギンとナズゴルは、無事、オミードにメガネを買ってあげることはできるのか?

町はペルシャ語の看板で溢れ、会話もほとんどがペルシャ語。フランス語の時には、字幕に< >が付くのですが、merci も、<ありがとう>と、フランス語扱い。確かに、フランス語ですが、イラン人はよく普通にメルスィーを使うので、<>はなくてもいいのではと思います。
ペルシャ語だけでなく、映画のそこかしこにイランらしさを感じました。
家には、紅茶用のサモワールがあって、紅茶を飲むとき、角砂糖を口に含んで飲むのもイラン流。
教会の前の広場で、串を刺して茹でたラブー(赤カブ)を売っていて、これもまさに冬のイランの風物詩。
七面鳥が安らかに眠れるよう、毎晩、詩を読んであげるとか、ナズゴルが習っている楽器がサントゥール。
他人の家を訪ねた時に、「自分の家と思って」というのも常套句。
1979年のイラン革命後、世界の各地に多くのイラン人が移住して、カナダにも大勢のイラン人が暮らしているので、ペルシャ語が公用語の町とまではいかなくても、ペルシャ語が共通語のコミュニティはありそうです。
ネギンとナズゴルが、氷の中のお札を取り出そうとするエピソードは、パナヒ監督の『白い風船』の中で、溝に落ちたお札を取り出そうと奔走する少女を思い出しました。
映画全体から感じたのは、人と人が思いやる姿。 それこそイラン人の心。
ちなみに、映画の最初の方に、イラン映画なら、「神のために」と書かれているところに、「友情のために」と書かれています。(咲)



2024年・第77回カンヌ国際映画祭 監督週間観客賞

2024年/カナダ/ペルシャ語・フランス語/89分/5.1ch/ヨーロピアンビスタ
字幕翻訳:髙橋彩
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/universallanguage/
★2025年8月29日(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開




posted by sakiko at 04:48| Comment(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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