2025年08月01日

アイム・スティル・ヒア(原題:Ainda estou aqui 英題: I'm Still Here  )

stillhere.jpg

監督:ウォルター・サレス
脚本:ムリロ・ハウザー、ヘイター・ロレガ
原作:マルセロ・ルーベンス・パイヴァ
撮影:アドリアン・テイジド
出演:フェルナンダ・トーレス(エウニセ・パイヴァ)、セルトン・メロ(ルーベンス・パイヴァ)、フェルナンダ・モンテネグロ(エウニセ当年期)

1970年代、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセと5人の子どもたちは、リオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。ある日、ルーベンスは家族の目の前で軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束され、過酷な尋問を受けることとなる。数日後に釈放されたものの、夫の消息は一切知らされなかった。沈黙と闘志の狭間で、それでも彼女は夫の名を呼び続けた――。自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、エウニセの声はやがて、時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。

ブラジルの軍事独裁政権は1964年から1985年まで続きました。その間新しく憲法を制定、大統領の権限を強化し、政治的反対派の排除に力を入れていきます。原作はルーベンス・パイヴァの息子、マルセロの手記。本作では、当時のブラジルの状況を一つの家族、ことに妻のエウニセを通して伝えています。屈せず、あきらめずに夫を探し続けるエウニセを演じた二人の女優は実の親子。
こうした多くの人の努力を重ねて今があり、それはどこの国でも起こりうることです。現在の大統領は右派で、ブラジルのトランプと呼ばれているのだとか。ウムム…(白)


ブラジルの軍事独裁政権21年の間に、230か所で尋問が行われ、犠牲になった人は2万人以上といわれています。チリの軍事政権下でも、反体制と見做された多くの人たちが、沙漠や海に遺体が捨てられていますが、ブラジルでもリオデジャネイロの海岸沖などに捨てられたようです。あまりに惨い。
夫が行方不明になったあと、エウニセは大学に戻り、48歳で法学位を取得。人権擁護に献身して、先住民の権利保護にも尽くし、ブラジル政府、世界銀行、国連の顧問にも就任されたとのこと。悲しみをばねに、素晴らしい功績をのこされました。(咲)


第97回アカデミー賞® 国際長編映画賞 受賞 
3部門ノミネート <作品賞|主演女優賞|国際長編映画賞>
第82回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門) 受賞
第81回ヴェネツィア国際映画祭 脚本賞 受賞

2024年/ブラジル・フランス合作/カラー/ビスタ/137分
配給:クロックワークス
(C)2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiracao/MACT Productions/ARTE France Cinema
https://klockworx.com/movies/imstillhere/
★2025年8月8日(金)ほか全国ロードショー

posted by shiraishi at 02:05| Comment(0) | ブラジル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください