2025年07月27日
KNEECAP ニーキャップ(原題:Kneecap)
監督・脚本:リッチ・ペピアット
撮影:ライアン・カーナハン
音楽:マイケル・“マイキー・J”・アサンテ
出演:モ・カラ、モウグリ・バップ、DJプロヴィ、マイケル・ファスベンダー(アーロ)、シモーヌ・カービー(ドロレス)
北アイルランド、ベルファスト。
ドラッグディーラーのニーシャ(MCネーム:モウグリ・バップ)は父親から「アイルランド語は自由のための弾丸だ」という教育を受けて育った。幼馴染のリーアム(MCネーム:モ・カラ)も同じく。麻薬取引で警察に捕まったニーシャは、取り調べ中英語を話すことを頑なに拒み、反抗的な態度を貫いてた。そこに通訳者として派遣された音楽教師のJJ(MCネーム:DJプロヴィ)が、ニーシャの手帳に綴られていたアイルランド語の歌詞を発見。その才能に目をつけ、3人はアイルランド語の権利を取り戻すべく、アイルランド語のヒップホップを始めることにした。アナーキーな3人が立ち上がる!
アイルランド語でラップをするヒップホップトリオの半生記を本人たちが再現しています。なんと器用なんでしょう、ドキュメンタリーとは違った面白さがあります。
アイルランドでは、自国の言葉が2022年まで公用語ではなかったと初めて知りました。歴史をさかのぼってみてもあちこちから侵略されたり、内戦があったりとても複雑でついていけません。そこにカトリックとプロテスタントの宗教もからんでゆきます。北アイルランドについてはいくつかの映画で観ただけで、問題が集約されているような土地だなぁという認識のみ。そこに住む彼らKNEECAPがアイルランド語で自由を叫ぶ足跡を描いたこの映画が熱狂的に受け入れられたのは、火薬も弾丸も使わない主張が届いているのでしょう。
「KNEECAP」とは膝の前にある「膝蓋骨」のことでテロ組織が警告のために発砲するとき、狙う場所だそうです。命に別状はないけれど動けなくする目的。言いえて妙というか、すごいネーミングです。(白)
2024年/イギリス、アイルランド合作/カラー/105分/R18+
配給:アンプラグド
(C)Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
https://unpfilm.com/kneecap/
★2025年8月1日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開
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