2025年07月27日

原爆スパイ 原題:A Compassionate Spy

8月1日(金)より広島八丁座にて先行ロードショー!
8月2日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開、以後全国順次上映
他の上映情報 
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©Participant Film

原爆開発の隠された真実 マンハッタン計画とスパイ活動

監督:スティーヴ・ジェームズ(『フープ・ドリームス』『スティーヴィー』)
登場人物:テッド(セオドア)・ホール、ジョーン・ホール

1945年に、広島と長崎に原爆が投下されてから80年。今、暴かれる、米ソ核開発をめぐる衝撃の事実。第二次世界大戦中、米国の原爆開発・製造計画「マンハッタン計画」、原爆の父オッペンハイマー博士のもと、原子爆弾の研究・開発に最年少の18歳で参加した天才物理学者テッド(セオドア)・ホール。
米国による“原爆の独占”を危険視した彼は、開発に関わる国家機密情報をソ連へと密かに流していた。米ソ間で競うように開発され、広島・長崎へと投下された原子爆弾。そして第二次大戦後激化していく軍拡競争、戦後冷戦体制。彼のスパイ活動で何がもたらされたのか? そして彼の妻と家族は、米国の監視下、“スパイの父”とどのように〈秘密〉を共有し、人生をともに歩んできたのか? 丹念な取材と再現映像を交え、「原爆スパイ」の驚くべき人生と、核開発をめぐる大国の思惑を克明に描く衝撃のドキュメンタリー。最大の国家的タブーを犯した「原爆スパイ」が、「力による和平」に疑義を唱え、現在への“警鐘”を投げかける。
1997年、その驚くべき事実が知れ渡ると同時に米国で一大論争を巻き起こした。同じ容疑で死刑判決が下ったジュリアス・ローゼンバーグ夫妻との違いを生んだのは何だったのか? 後年、テッドは自らの行動の動機を「思いやり」だったと語る。ナチス・ドイツが原子爆を開発する前に、自ら原子爆弾を開発・製造するべく進められたマンハッタン計画。当時、計画に携わった物理学者たちの多くが、その強大な力を前に米国による原爆の独占を危険視し、ソ連にも情報を共有すべきであると考えていた。なかには日本への原爆投下をとどまるよう、大統領に手紙を書いた者もいたという。原爆に関わった研究者テッド・ホールの人生をひも解くことで、当時マンハッタン計画に携わっていた科学者たちの懸念と行動が明らかになる。一方、ソ連の核開発を密かに助けることになったホールの行動は、核戦力の均衡をもたらした一方で、ソ連にも禁断の兵器を握らせたとも言える。一人の物理学者の行動が何をもたらしたのだろうか?

テッド・ホールは、核兵器に関する「アメリカの独占」は「危険であり避けるべきだった」と語っている。わたしは原爆の秘密をロシア人に渡すことに決めた。なぜならわたしには、まるでナチス・ドイツを作るように一つの国を軍事的脅威に変え、その脅威を世界に野放しにすることになる『核の独占』などはあってはならないということが重要に思えたのだ。これにあたって一人の人間がすべきことには、たった一つの答えしかないように思えた。と、語っている。

公式HPはこちら 
2022 年/イギリス、アメリカ/ 英語 / カラー、モノクロ/ドキュメンタリー
日本版字幕:若林 信乃
字幕監修:新田 宗土(慶應義塾大学 / 広島大学 SKCM2)
提供:メニーウェル
配給:パンドラ
posted by akemi at 19:15| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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