2025年07月03日

愛されなくても別に

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監督:井樫彩
原作:武田綾乃「愛されなくても別に」(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
撮影:福本淳
音楽:松本淳一
主題歌:hockrockb
出演:南沙良(宮田陽彩)、馬場ふみか(江永雅)、本田望結(木村水宝石)、基俊介(堀口順平)、池津祥子(木村美佐子)、河井青葉(宮田愛)

大学生の宮田陽彩(みやたひいろ)は奨学金を受けて毎日大学に通う。それ以外の時間はほとんどバイトに費やしている。母と二人暮らしの陽彩は浪費家で怠惰な母の代わりに家事をこなし、学費と生活費を稼ぐためのバイトの毎日だ。親にも自分にさえも何も期待していなかった。それが同級生の江永雅(えながみやび)と関わったことで、変化していく。「江永のお父さんは殺人犯なんだって」と陽彩に耳打ちしたのは、ノートを貸してくれた木村水宝石(きむらあくあ)だった。木村は過干渉の母親にうんざりしている。陽彩は雅に直接聞いてみた。

外見も性格も真逆のような陽彩と雅ですが、親ガチャで外れてしまったのが共通点。背負ってしまった不幸せは、誰とも比べられませんが、こちら側から見ると、3人のうち木村だけは生活の心配がありません。それでも彼女には不幸極まりないのです。俳優さんたちの演技に見とれ、ちょっとでも好転してほしいなと願いながら観ました。原作は読んでいたのですが、生身の人がそこにいるのを観るとなかなかにきつい物語です。
「愛している」という言葉の呪縛にとらわれていた陽彩が、雅のおかげで一歩踏み出すことができたのに安堵しました。一人で生き抜いてきた雅ですが、陽彩が親友となりつつあります。「愛されなくても別に」と思っていた二人、血縁はサイテーだったけれど心地良い家を作れそうです。それにしても河井青葉さん『あんのこと』に続いて、娘に依存する毒親です。似たような役は続きがちですが、次は違うのがいいなぁ。(白)


2025年/日本/カラー/109分
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)武田綾乃/講談社 (C)2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
公式HP:https://aisare-betsuni.com/
公式X&Instagram:@aisare_betsuni
★2025年7月4日(金)全国公開

posted by shiraishi at 22:08| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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