2025年07月03日

『オルエットの方へ』4Kリマスター版   原題: Du côté d’Orouët

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© 1973 V.M. PRODUCTIONS / ANTINÉA

監督・脚本・台詞:ジャック・ロジエ
助監督:ジャン゠フランソワ・ステヴナン
撮影:コラン・ムニエ
音楽:ゴング
出演:ベルナール・メネズ、ダニエル・クロワジ、フランソワーズ・ゲガン、キャロリーヌ・カルティエ

パリでタイピストとして働くジョエルは、9月初め、友人のカリーンに誘われて、キャロリーヌの持つ大西洋に面した田舎町の別荘でヴァカンスを過ごすことにする。それぞれの部屋を決め、階下のお店でワッフルを食べたり、海で海老をとったり、気ままに過ごす日々。そんなある日、偶然を装ってジョエルの上司ジルベールが現れる。テントに泊まっていて、嵐で外はつらいから泊めてくれと言われるが、庭先の壁際にテントを張るのならと許す。
翌朝、さっそく3人はジルベールをからかって遊ぶ。近くのオルエットの農場に行き、たくさんのウナギをもらってくる。
ある日、海辺で凧をあげていたら、凧がヨットのマストに引っかかってしまう。ヨットの主パトリックも交え、5人で過ごす日々。ジョエルは彼に惹かれていくが・・・

ジョエルは会社で交代で取るヴァカンスの番が、やっと9月にまわってきました。カリーンがヴァカンスのプランを話に来た時に、ジョエルに気のある上司のジルベールがそばにいて聞いていて、追いかけてきた次第。ジョエルは、もう1年くらいジルベールが気のある素振りをしているのに気がついていたのですが、ジョエルにはその気がないようです。別荘で、毎日、何をしようかとちょうど退屈していた時にジルベールが現れたので、3人はいいように彼を巻き込んだ感じ。 ジルベールは彼女たちを喜ばせようと、大きなアナゴを手に入れた時には、張り切って調理するのですが、時間がかかりすぎて、出来上がった時には、女の子たちはもうお眠の時間。なんだかジルベールの努力が空回りで気の毒になってしまいます。それでも、「気のいいジルベールがいなかったら最低のヴァカンスだった」という女の子たちの言葉をジルベールに聞かせたかった!
3週間ちょっとのヴァカンスは、日本人の私たちにはうらやましい長さですが、日本でフランス系の会社に勤めていた友人は、「5週間連続休暇を取れと会社は言うけど、長すぎて無理」と嘆いてました。
本作からは、フランス流ヴァカンスの過ごし方を垣間見ることができました。
タイトルのオルエットは、別荘のある大西洋に面したフランス中西部の田舎町、サン=ジル=クロワ=ド=ヴィの近くにある村。Orouëtの oの後に rが続く発音は、フランス人にとっても難しいようで、皆で何度も発音していて可笑しかったです。 フランス語科の友人が、rの発音練習を、水を含まずにうがいをする感じと言っていたのを思い出しました。(咲)


1971年/フランス/フランス語/カラー/162分/1.37 :1/モノラル/DCP
日本語字幕:寺尾次郎
配給:エタンチェ、ユーロスペース
公式サイト:https://www.jacquesrozier-films.com
★2025年7月5日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開



◆同時開催:ジャック・ロジエ監督特集
7月5日(土)~18日(金) 渋谷・ユーロスペース
※全て2K上映。
『アデュー・フィリピーヌ』2Kレストア版(1962年/110分)
『トルテュ島の遭難者たち』4Kレストア版(1976年/146分)
『メーヌ・オセアン』4Kレストア版(1985年/136分)
『フィフィ・マルタンガル』デジタルレストア版(2001年/120分)

短篇集(合計54分)
『ブルー・ジーンズ』2Kレストア版(1958年/24分)
『バルドー/ゴダール』2Kレストア版(1963年/10分)
『パパラッツィ』2Kレストア版(1963年/20分)

詳細はこちらで!
http://eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000889



posted by sakiko at 20:17| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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