2025年05月16日

ガール・ウィズ・ニードル  原題:Pigen med nålen/英題:The Girl with the Needle

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(C)NORDISK FILM PRODUCTION / LAVA FILMS / NORDISK FILM PRODUCTION SVERIGE 2024

監督・脚本:マグヌス・フォン・ホーン『スウェット』 
脚本:マグヌス・フォン・ホーン、リーネ・ランゲベク
撮影:ミハウ・ディメク
音楽:フレゼレケ・ホフマイア(プース・マリー)
出演:ヴィクトーリア・カーメン・ソネ、トリーネ・デュアホルム、ベシーア・セシーリ、ヨアキム・フェルストロプ

第一次世界大戦後のコペンハーゲン。
お針子として働くカロリーネは、部屋の家賃が支払えずに追い出される。戦地に赴いた夫は行方不明だ。やがて勤め先の工場長と恋に落ち、妊娠。結婚すると言ってくれるも、男爵夫人の母親が息子との結婚はあり得ないとけんもほろろに仕事場も追い出される。公衆浴場で中絶を試みようとして倒れたのを見て、「生まれたら、ダウマの砂糖菓子店に来て。子供を欲しい人がいる」と中年の女性が声をかける。
そんな折、死んだと思っていた夫が変わり果てた姿で帰ってくる。やがて生まれてきた女の子を、自分の子でないとわかりながら「綺麗な子だ」と抱く夫。だが、カロリーヌは、ダウマの砂糖菓子店を訪ね、赤ちゃんを託す。さらに、ここに預けられた子の養父母が決まるまでお乳をあげると、住み込みで働かせてもらう。訳ありで生まれた子を預けにくる女性たち。ダウマには、イレーヌという美しく可憐な幼い娘がいて、彼女とも打ち解け、ダウマとの間に強い絆が育まれるが、やがてカロリーヌは悪夢のような真実を知ってしまう・・・

マグヌス・フォン・ホーン監督が、1910年代にデンマークで実際に起こった衝撃的な事件に触発されて描いた物語。モノクロの美しくもおぞましい映像に惹き込まれます。それは、100年以上も前の遠くデンマークでの話ですが、訳ありの子を身籠って、中絶することもできずに生まれてしまった子を抱えて、困り果てる女性は今の時代にも後を絶ちません。シングルマザーとして勇気を持って生きていく女性たちもいれば、「赤ちゃんポスト」や、養子縁組に助けられる女性もいます。軽はずみな行為の結末を女性だけが負わなければいけない不公平・・・ 本来なら、祝福されるべき新しい命の誕生なのに。本作では、社会の目も、そういう女性たちに厳しく冷たいことも描いています。
また、戦争に駆り出され、変わり果てた姿で、サーカスで見世物になるしかない男性を、国が保障していないらしいことも理不尽に思いました。
そんな冷たい社会を描いた物語ですが、人の良心を感じさせてくれる素敵なラストに、ほっとさせられました。(咲)


2024年・第77回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品
第97回アカデミー賞 国際長編映画賞ノミネート

2024年/デンマーク、ポーランド、スウェーデン/デンマーク語/123分/ 1.44:1/モノクロ/5.1ch/PG12
日本語字幕:吉川美奈子、字幕監修:村井誠人
配給:トランフォーマー
公式サイト:https://transformer.co.jp/m/needlemovie/
★2025年5月16日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開
posted by sakiko at 15:26| Comment(0) | デンマーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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