2025年05月09日
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界(原題:Lee)
監督:エレン・クラス
脚本:パベウ・エデルマン
原作:アントニー・ペンローズ
撮影:パベウ・エデルマン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ケイト・ウィンスレット(リー・ミラー)、アンディ・サムバーグ(デイヴィッド・E・シャーマン)、アレクサンダー・スカルスガルド(ローランド・ペンローズ)、マリオン・コティヤール(ソランジュ・ダヤン)
1938年フランス。ファッション誌「VOGUE」をはじめ、一流モデルとして人気だったリー・ミラーは、芸術家や詩人の親友たちと休暇を過ごしていた。芸術家でアートディーラーのローランド・ペンローズと出会い、瞬く間に恋に落ちる。そんな完備で華やかな生活は第二次世界大戦の脅威が迫ったことで激変した。リーは「VOGUE」にかけあい、写真家としての仕事を得、ファッション写真やポートレイトを撮る側になる。19戦争が激化する中、戦地へ赴くことを決める。女性カメラマンを受け入れなかった戦場だったがリーの行動力がまさった。アメリカ「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者のデイヴィッド・シャーマンとチームを組み、どこへでも出かけた。1945年にはブーヘンヴァルト強制収容所やダッハウ強制収容所などで多くの凄惨な写真を撮影、「これは現実」と本国へ送り続けた。ヒトラーが惨敗を認めて自死した日、リーはミュンヘンにあるヒトラーのアパートにいた。そこの浴室で自分を撮影し、世界へ戦争の終わりを伝える。
『エターナル・サンシャイン』(2004/ミシェル・ゴンドリー監督)で撮影監督だったエレン・クラスの長編映画初監督作品。ケイト・ウィンスレットは10代で映画デビューし、『タイタニック』(1997/ジェームズ・キャメロン監督)でレオナルド・ディカプリオと共演、この映画は全世界興行収入1位。日本でも大ヒットしています。その後も着実にキャリアを積み、観るたびに貫禄がついてきたと思っていましたが。今年10月には50代になるのでした。
リー本人とケイト・ウィンスレットは、見た目も発せられる存在感の強さも似ています。ケイト・ウィンスレットがリーに感銘を受けて、製作に参加。自身が渾身で演じて説得力もあります。浴室での写真はとても有名になったそうですが、長く屋根裏にしまわれていたという収容所の写真は戦争の記録写真としてとても貴重なもの。何度でも同じあやまちを繰り返す人間への歯止めに、楔ともなるはずです。
従軍記者になってからの凄まじい活躍ぶりに既視感が・・・『シビル・ウォーアメリカ最後の日』のキルスティン・ダンスト演じるリーを思い出しました。このリー・ミラーがモデルのようです。「リー・ミラー写真集」が岩波書店から出ています。お近くの図書館を検索してみて。(白)
2023年/イギリス/カラー/116分
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)BROUHAHA LEE LIMITED 2023
https://culture-pub.jp/leemiller_movie/
https://x.com/leemiller_movie
★2025年5月9日(金)より全国ロードショー
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