2025年04月06日
シンシン/SING SING 原題:SING SING
監督:グレッグ・クウェダー
出演:コールマン・ドミンゴ、クラレンス・マクリン、ショーン・サン・ホセ、ポール・レイシー
ニューヨークにある最重警備のセキュリティを誇る「シンシン刑務所」。
ディヴァインGは、無実の罪で収監されたことを訴え続けている。刑務所内の収監者更生プログラムである<舞台演劇>グループに所属して、仲間たちと積極的に演劇に取り組み、自分を励ましている。ある日、刑務所いちの悪として知られるクラレンス・マクリン、通称“ディヴァイン・アイ“が演劇グループに参加することになる。新たな演目に向けての準備が始まるが、ディヴァイン・アイは何かと突っかかってくる・・・
収監されている男たちが、舞台演劇を通じて知り合い、胸の内を語り合い、友情をはぐくんでいく姿に、彼らが「そこ」にいる様々な事情を思いました。数人の俳優以外は、かつて収監中に舞台演劇グループに所属していた男たちが本人役を演じています。
ディヴァインGは、減刑聴聞の時に、積極的に構成プログラムとしての舞台演劇の取り組んだことを語るのですが、最後に、「今日のも演技?」と言われてしまいます。さて、ディヴァインGは減刑になるのでしょうか?
舞台の始まる前に、皆で手を高くあげて「RTA」と叫びますが、これは「Rehabilitation Through the Arts(芸術を通した更生プログラム)」の略。
演劇を通じた収監者たちのセラピーを描いた映画として、イスラーム映画祭6で上映された『シェヘラザードの日記』(監督:ゼイナ・ダッカーシュ、2013年、レバノン)を思い出しました。レバノンのバアブダ女性刑務所で演劇を通じたドラマセラピーに参加する女性囚たちを描いたドキュメンタリーでした。出所した女性がかつて演劇を通じて友情をはぐくんだ仲間たちに会いに来る場面もありました。
『シンシン/SING SING』も、収監された人たちの更正に、集団で行う演劇が効果あるプログラムであることを見せてくれました。(咲)
2023年/アメリカ/カラー/ビスタ/5.1ch/107分
字幕翻訳:風間綾平
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/singsing/
★2025年4月11日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
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