監督・脚本:レア・トドロフ
出演:ジャスミン・トリンカ 、レイラ・ベクティ、ラファエル・ソンヌヴィル=キャビー、ラファエレ・エスポジト、ピエトロ・ラグーザ、アガト・ボニゼール、セバスティアン・プドゥル、ラウラ・ボレッリ、ナンシー・ヒューストン
子どもの権利のために闘う それが私の運命
20世紀初頭のイタリア・ローマ。マリア・モンテッソーリ(ジャスミン・トリンカ)は、ある「成功者」と出会う。フランスの有名なクルチザンヌ(高級娼婦)リリ・ダレンジ(レイラ・ベクティ)だ。リリは娘の学習障がいが明るみに出そうになったとき、自分の名声を守るためにパリから逃亡してきたのだった。マリアはこの時期すでに画期的な新しい教育法の基礎を築いていた。リリはマリアを通して、娘はただの障がいのある女の子ではなく、強い意志と才能を持った人として、ありのままの娘を知るようになる。マリアに共鳴したリリは、男性中心社会の中でもがくマリアの野望の実現に手を貸すのだが……。
モンテッソーリ教育の生みの親、マリア・モンテッソーリの劇的な人生。
ブルジョア社会の運命さえも変えた、強く知的なひとりの女性の物語。
Amazon創業者ジェフ・ベゾス、Google創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、シンガーソングライターのテイラー・スウィフト、将棋の藤井聡太などが受けたことでも注目されるモンテッソーリ教育。本作は、その生みの親であるマリア・モンテッソーリがメソッドを獲得し、1907年に「子どもの家」を開設するまでの苦悩に満ちた7年間を描いた物語。
レア・トドロフ(監督・脚本)
パリ、ウィーン、ベルリンで政治学を学び、その後ドキュメンタリー映画を主に活動してきたレア・トドロフ。2012年初のドキュメンタリー「Saving Humanity during Office Hours」を監督し、14年には「Russian Utopia」を共同監督。15年にジャンナ・グルジンスカ監督のオルタナティブ教育をテーマにしたドキュメンタリー「School Revolution: 1918-1939」の脚本を執筆。そして、遺伝性疾患を持って生まれた娘の誕生が本作制作への決定的な契機となった。本作が長編劇映画、初監督。


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024 国際コンペティション部門で上映された折に登壇したレア・トドロフ監督
モンテッソーリという苗字が、独特の教育メソッドの名前として世界に広まりました。100年以上前の、まだまだ男尊女卑が横行していた時代に、シングルマザーの医師という立場で、後世に残る功績を残した女性の生き様。レア・トドロフ監督は、想像力を駆使して、マリア・モンテッソーリの敵的な人生を描き上げています。そこには、レア・トドロフ監督自身の障がいを持った娘の存在があったとのこと。どんな子どもであっても、生きる喜びを感じることができるような教育であってほしいと願います。(咲)
「シュタイナー教育」という名前は知っていたけど、「モンテッソーリ教育」という言葉は、この映画で初めて知りました。基本的な考え方は「子どもには生来、自立・発達していこうとする力があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境」が必要ということだそうです。そんな教育方法を100年以上前に、提唱したのが女性だったということが驚きでした。しかも、イタリア初の女性医師だったという。とはいえ、19世紀に、彼女の道を築いていった困難は相当だったでしょう。これはシスターフッドの映画でもある。それは今の時代にも女性に必要なこと。それは嬉しいことでもあり、残念なこと。ほんとの意味で女性が活躍できる時代がきてほしい(暁)。
2023年/フランス・イタリア/イタリア語・フランス語/99分/1:1.85/5.1ch
字幕:杉本あり
配給:オンリー・ハーツ
協力:国際モンテッソーリ協会(AMI)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
イタリア大使館/イタリア文化会館
公式サイト:http://maria.onlyhearts.co.jp/
★2025年3月28日(金)よりシネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺他にて全国順次公開