2025年03月22日

光る川

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監督:金子雅和
原作:松田悠八(「⻑良川 スタンドバイミー⼀九五〇」より)
脚本:金子雅和、吉村元希
撮影:山田達也
音楽:⾼⽊正勝
出演:華村あすか(お葉)、葵揚(朔)、有山実俊(ユウチャ/枝郎)、堀部圭亮(紙芝居屋) 、根岸季衣(バッチャ)、渡辺哲(木地屋)、安田顕(常吉)

ユウチャ少年は病気で寝ている母、父と祖母と山間の集落で暮らしている。多くの木々に囲まれて自然ゆたかな土地だが、台風による洪水に脅かされている。ある日紙芝居屋が集落にやってきて、子どもたちは土地に伝わる里の娘のお葉(よう)と山の民の朔(さく)との悲しい物語を聞いた。恋が叶わず、淵に身を投げたお葉の涙があふれて洪水が起きると知ったユウチャは、バッチャからも古くからの言い伝えを聞く。自分がその役割を担うことができると知って、川を奥へと奥へと遡っていく。

アルビノの木』『リング・ワンダリング』で日本の自然を舞台に、民話や伝承から美しい物語を紡ぎだして注目された金子雅和監督。今回は松田悠八氏の原作を映画化しました。昭和30年代の少年を案内人に、清冽な川、山奥の滝や洞窟など、美しく幽玄な舞台を歩きます。
山の民がいかに手わざに優れていても、家を持たずに移動する暮らしです。里の人々は売り買いのほかに関わろうとしません。人々を楽しませる芸能に優れても差別されたジプシー(ロマ)に通じます。昔に限ったことでなく、あからさまな差別でなくなっただけで、今も残っているのではないでしょうか。
ユウチャと不思議な邂逅を果たすお葉と朔は、無垢なユウチャによって別の選択をすることができるのでしょうか?
清浄な空気さえも感じられる撮影、凛としたお葉の華村あすかさん、意志を貫く純朴な朔の葵揚さんのお2人にも目が吸い寄せられました。(白)


2025年/日本/カラー/108分
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)長良川スタンドバイミーの会
https://www.culture-pub.jp/hikarukawa/
★2025年3月22日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

posted by shiraishi at 00:33| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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