2025年03月20日
FEMME フェム 原題:FEMME
監督・脚本:サム・H・フリーマン、ン・チュンピン
製作:ヘイリー・ウィリアムズ&ディミトリス・ビルビリス
撮影:ジェームズ・ローズ
編集:セリーナ・マッカーサー
プロダクションデザイン:クリストファー・メルグラム
衣装:ブキ・エビエスワ
音楽:アダム・ヤノタ・ブゾウスキ
出演:ネイサン・スチュワート=ジャレット、ジョージ・マッケイ(『1917 命をかけた伝令』『けものがいる』)、アーロン・ヘファーナン、ジョン・マクリー、アシャ・リード
ナイトクラブのステージで観客を魅了するドラァグクイーン、ジュールズ。ある夜、ステージを終えた彼は、タトゥーだらけの男プレストンと出会う。だが、その出会いは突然、憎悪に満ちた暴力へと変わり、ジュールズの心と体には深い傷が刻まれる。舞台を降り、孤独な日々を送りながら、彼は痛みと向き合い続けていた。
数ヶ月後、偶然立ち寄ったゲイサウナでジュールズはプレストンと再会する。ドラァグ姿ではない彼を、プレストンは気づかぬまま誘う。かつて憎悪に駆られジュールズを襲った男が、実は自身のセクシュアリティを隠していたことを知ったジュールズ。彼はその矛盾を暴き、復讐を果たすため、密会の様子を記録しようと計画する。
ところが、密会を重ねるたび、プレストンの暴力的な仮面の奥にある脆さと葛藤が浮かび
上がる。プレストンの本質に触れるたび、ジュールズの心にもまた説明のつかない感情が
芽生え始める。待ち受けるのは復讐か、それとも──。
ジュールズは黒人の背の高い男性。派手なお化粧をほどこし、裾を引きずるドレスに身を包んだ姿は皆を圧倒します。一方、タトゥーだらけの白人のプレストンは同類の白人男たちとつるんでいて、女装したジュールズに憎悪の目を向け、ボコボコにします。
数か月後にゲイサウナで偶然出会い、ジュールズはもちろん気が付くのですが、女装の時とは違う姿のジュールズを別人と思っているプレストン。その彼に惹かれて家に誘い込みます。家に入るときに、「靴は脱いで!」というプレストン。のちに、ジュールズがプレストンを家に誘いこむ時に、土足で入ろうとしたプレストンに、今度はジュールズが「靴を脱げよ!」と命じます。恐らく普通は靴のままであがるのがイギリス流。靴を脱いであがるというのは、潔癖故? それがゲイらしさ?
同じゲイでも、プレストンが男らしさを強調するような出で立ちで振る舞うのと逆に、ジュールズは圧倒するような女装で堂々と皆の前に立つのが清々しく見えました。ジュールズとプレストンの駆け引きに最後まで目が離せない壮絶な物語でした。(咲)
英国インディペンデント映画賞
最優秀共同主演賞、最優秀衣装デザイン賞、最優秀メイク&ヘアデザイン賞 受賞
ファンタジア国際映画祭受賞
最優秀監督賞、最優秀演技賞 受賞
2023 年/イギリス/英語/98 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/
字幕翻訳:平井かおり
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/femme/
★2025年3 月 28 日(金) 新宿シネマカリテ ほかロードショー
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