2025年03月09日

逃走 英題:ESCAPE

2025年3月15日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
劇場情報
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©「逃走」制作プロジェクト2025

わたしが桐島聡です— 偽名で生きた49年間

監督・脚本:足立正生
エグゼクティブプロデューサー:平野悠 統括プロデュ―サー:小林三四郎
アソシエイトプロデュ―サー:加藤梅造 ラインプロデューサー:藤原恵美子
音楽:大友良英
挿入曲:「DANCING古事記」(山下洋輔トリオ)
撮影監督:山崎裕 録音:大竹修二 美術:黒川通利
制作:渡辺美穂 編集:蛭田智子  
助監督:鎌田義孝 山嵜晋平 スチール:西垣内牧子
題字:赤松陽構造 キャスティング:新井康太
企画協力:寺脇研
出演:古舘寛治
杉田雷麟 タモト清嵐 吉岡睦雄 松浦祐也 川瀬陽太 足立智充 中村映里子

半世紀に及ぶ逃亡の末に、末期がんで亡くなった、東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバー・桐島聡

1970年代の日本、社会運動が高揚していた。新左翼過激派集団「東アジア反日武装戦線“さそり”」のメンバーだった桐島聡。1974年、東京・丸の内で死者8人、負傷者約380人を出した三菱重工ビル爆破事件を口火に、社会を震撼させた連続企業爆破事件で重要指名手配された。事件に関わったのは東アジア反日武装戦線の「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループとされ、その後リーダーなどメンバーが逮捕された中、桐島聡はいつ逮捕されるかわからない緊張感の中、名前をかえ、別人として逃げ続けた。数十年前から“内田洋”という偽名を使い、神奈川県藤沢市の土木工事会社に住み込みで働いていた。日雇い仕事を転々としながらも、1960〜1970年代のブルースやロックを好み、音楽好きが集まる藤沢市内のライブバーにも足を運んでいた。
しかし、かつての仲間たちの存在が常に脳裏にあった。メンバーの獄中闘争、超法規措置により国外に出る仲間たち、自ら命を絶った者。桐島はそうした仲間たちを思いながら、日本社会の欺瞞や凋落を孤独に見つめ続けていた。
そして、逃亡から約49年後の2024年1月25日、病院に担ぎ込まれ末期がんと診断され4日後に死亡。死の間際、担当医師に本名「桐島聡」として死にたいと語った。
病院のベッドで生死の狭間を彷徨い、薄れる意識の中、浮かんでくるのは、東アジア反日武装戦線としての活動、仲間と逃亡を続けていた記憶。彼が生涯を賭けて追い求めたものは何だったのか。半世紀にわたる逃亡生活の果てに、彼は何を得ようとしたのか。足立正生監督が自らの半生と重ね合わせながら、桐島の苦悩と決意を描き出す。

監督の足立は若松孝二監督作品の脚本を量産、大島渚作品にも参加。異色の世界観を多数書き上げてきた。1966年に『堕胎』で監督デビュー。
1974年、パレスチナの前線へ。パレスチナ解放人民戦線のゲリラ隊に加わり、重信房子とともに日本赤軍を創設。27年間、日本を離れ。帰国後、2007年、35年ぶりにメガホンを取り、再び映画監督として活動を再開した。「偽名で生きた内田洋から桐島聡への回帰、そこには多くの謎があり、逃亡生活の終焉と自らの死を予感した“革命への確信”その証は、映画でしか描けない」と始まった本作のプロジェクトは、足立監督が自ら脚本も担当し、すぐにクランクイン、そして超スピードで劇場公開。

主演の桐島聡役には、足立監督が出演を熱望した古舘寛治。名バイプレイヤーとして数々の映画・ドラマに出演し、国内外の監督からの信頼も厚い。本作品では謎の多い桐島を、さまざまな感情を想起させるような奥行きのある演技で魅せる。そして、『半世界』(2019)など話題作への出演が続く杉田雷麟が若い頃の桐島を演じた。また、桐島と恋仲になる女性に中村映里子、桐島と共に逃走する宇賀神寿一にはタモト清嵐、そのほか吉岡睦雄、松浦祐也、川瀬陽太、足立智充など個性的な面々が脇を固める。撮影監督を務めたのは、足立監督と日本大学芸術学部映画学科からの学友であり、是枝裕和監督、五十嵐久美子監督作品や多くのテレビドキュメンタリー、記録映画などのカメラマンとして知られる山崎裕。足立監督とは『断食芸人』以来9年ぶり。
エグゼクティブプロデューサーには、「ライブハウスを創った男」といわれ、1970年代以降の日本ロック史を語るうえで忘れてはならない、ロフトグループの創業者・平野悠。音楽はノイズ的な作品からポップスに至るまで数々の映画・ドラマ音楽を手掛け、海外の映画音楽も手掛ける大友良英。挿入曲には、1969年にバリケード封鎖された早稲田大学構内で行なわれた山下洋輔トリオによる壮絶なフリージャズライブ音源「DANCING古事記」が使われている。
足立正生85歳。時代と向き合い、映画を通して発せられるメッセージ。集まったキャスト・スタッフともに、超・硬派な面々が、一人の男が迎えた最期に対峙する。

企画:足立組
宣伝デザイン:100KG 字幕制作:スタンスカンパニー 英語字幕:桜本有三
【2025年|日本|DCP|5.1ch|114分】 ©「逃走」制作プロジェクト2025
配給・制作:太秦 製作:LOFT CINEMA 太秦 足立組
公式:kirishima-tousou.com
https://kirishima-tousou.com/

★3月15日(土)
池袋シネマ・ロサ
10:15回上映終了後
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監督

ユーロスペース
①12:15回上映終了後 ②14:50回上映前
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監督

★3月16日(日)
ユーロスペース
10:00回上映終了後
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督

横浜シネマリン
14:30回上映終了後
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督



posted by akemi at 19:17| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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