2025年02月21日

ゆきてかへらぬ

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監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
撮影:儀間眞悟
音楽:岩代太郎
出演:広瀬すず(長谷川泰子)、木戸大聖(中原中也)、岡田将生(小林秀雄)、田中俊介(富永太郎)、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑

京都。ある雨の日、駆け出しの女優長谷川泰子は、まだ学生だった中原中也に出逢ってしまった。のちに天才詩人と呼ばれるようになるとは知らず。2人は一緒に暮らし、泰子は女優として花開くことを、中也は自分の本が出ることを夢見る。東京に引っ越した2人の家を小林秀雄が訪ねてくる。小林は中也の詩の才能を高くかっていた。中也も文芸評論でいちもく置いていた小林に認められるのが嬉しい。3人で会ううち、小林はは泰子に惹かれていく。

根岸吉太郎監督が『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』(2009)以来約16年ぶりの監督作です。脚本はその前作で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した田中陽造氏。40年以上前に書かれたものだとか。長くあたためていた脚本がついに映画としてお目見えです。
若くして亡くなり、今も愛唱されている詩を遺した中原中也、彼の才能を早くに見出した小林秀雄。その2人を愛し愛された駆け出しの女優の長谷川泰子、まだ10代、20代と若くまだ何者でもなかった実在の3人を描いています。英題では『Yasuko Songs Of Days Past』、泰子が主人公なんですね。
雨降る街を俯瞰で撮るオープニング、瓦屋根の家々の間を人や傘が進んで行きます。どこかの街でのロケではなく、自由にカメラや人が動けるセットなのだそうです。くっきりと印象的で物語に引き込まれます。初めて顔を見せるシーンは、とても重要です。泰子が美しい!中也可愛い!秀雄また美しい!浮かれてすみません。ご覧になったら納得します。
根岸監督によりますと、この3人の物語、ほんとは15年ほどにわたっているのだそうです。2時間余りの映画に、ぎゅっと濃くして心模様の移り変わりを見せるわけです。監督、脚本、俳優のアンサンブルをご期待ください。(白)


2025年/日本/カラー/128分
配給:キノフィルムズ
©2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
公式サイト:https://www.yukitekaheranu.jp/
https://x.com/yk_movie2025
★2025年2月21日(金)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:11| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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