2025年02月21日

かなさんどー

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監督・脚本:照屋年之(ゴリ/ガレッジセール)
撮影:大城学
音楽:新垣雄
主題歌:「かなさんどー」作詞・作曲 前川守賢
出演:松田るか(美花)、浅野忠信(悟)、堀内敬子(町子)

美花は7年ぶりに故郷の沖縄・伊江島に向かっている。父が重篤だと知らせがあったからだ。母が亡くなるとき、電話にも出ずに飲み歩いていた父をいまだに許せない。久しぶりに会う父は、めっきり歳をとって認知症も進んでいた。実家で母の遺品をみているうちに生前は「恥ずかしいから」と見せなかった母の日記が見つかった。若いころからの父との思い出、これまでの出来事が細かにつづられていて、美花は母の深い愛情と父への想いをいまさらながら知る。

照屋監督の最新作。今度の舞台は伊江島で、すれ違ったままの父と娘のストーリーです。母が父をたてて、いつも明るく過ごしていたこと、2人の愛情に包まれて育ったことを思い出します。母のことだけは忘れずにいる父のために、娘は母の日記のある思い出をなぞり、再現しようと試みます。
沖縄出身の松田るかさんはこれまで『あしやのきゅうしょく』『レディ加賀』などに出演しているのびのびと明るい印象のかたです。父親の悟を浅野忠信さん、認知症のお年寄り役は初ではないでしょうか。妻を大切に思いながらもどこかずれた父親役が楽しそうです。母親町子を堀内敬子さん。父を支えるしっかり者のお母さん役で、従業員や娘を叱ったり説得したりのシーンではこちらが思わず「はい!」と答えたくなるような説得力がありました。若いころのシーンもはつらつとして可愛らしく、悟の好きだという歌もしみじみと歌っています。元劇団四季にいらして、ミュージカルや舞台劇で活躍されていました。道理で。テレビ出演も多々、三谷幸喜作品にもよく出演なさっています。
鑑賞後は自分の家族のことを思い出して胸が暖かくなることうけあい。帰ったら電話のひとつ、はがきの一枚でも出したくなりますよ。(白)


照屋監督の前作『洗骨』を観ていなくて残念に思っていたけど、新作ができました。
母の死に際に連絡が取れず、立ち会えなかった父を許せない娘。その父が余命わずかとなり帰郷する話。久しぶりに会う父は認知症も進んでいたが、娘はやはり父を許せない。でも、父の会社の社員?親戚の人?が粘り強く、説得?というか送り迎えをして、少しづつ娘の心がほどけてゆく。これも沖縄を舞台にして、沖縄人の優しさや絆を感じさせる作品でした。堀内敬子さんも松田るかさんも浅野忠信さんも良かったけど、浅野さんが認知症の人に見えなかったのがちょっと残念。
伊江島って、あの真中にある山に特徴がありますよね。去年、沖縄に行った時、美ら海水族館から真向いに伊江島が見えて印象的でした。
去年、NHK朝ドラ「ちゅらさん」(2001年)が再放送されていて、ずっと見ていたけど、ここに出ていた、てーげーなお兄さん役のゴリさんさんのことを見ると、この人が映画監督?って感じだけど、見直しました(笑)。ゴリさん、これからも沖縄を舞台にした映画を撮り続けてくださいね(暁)。

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美ら海水族館から正面に見える伊江島 撮影 宮崎暁美


集合写真 320.jpg
公開記念舞台挨拶(公式)

2023年/日本/カラー/分
配給:パルコ
https://kanasando.jp/
★2025年2月21日(金)より全国公開 沖縄先行公開中
posted by shiraishi at 23:14| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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