2025年02月02日

ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女   原題:Stella. Ein Leben  英題:Stella. A Life.

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(C)2023 LETTERBOX FILMPRODUKTION / SevenPictures Film / Real Film Berlin / Amalia Film / DOR FILM / Lago Film / Gretchenfilm / DCM / Contrast Film / blue Entertainment


監督:キリアン・リートホーフ(『ぼくは君たちを憎まないことにした』
脚本:キリアン・リートホーフ、 マルク・ブルーバウム、ヤン・ブラーレン
出演:パウラ・ベーア(『水を抱く女』)、 ヤニス・ニーヴーナー(『コリーニ事件』

1940年8月、ベルリン。18歳のステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)は、アメリカに渡りジャズシンガーになることを夢見ていた。ユダヤ人の両親が、つてを頼って、なんとかアメリカのビザを手に入れようとしていたが、ドイツでは多くのユダヤ人がビザを待っていて、叶わぬ夢だった・・・。
ナチスはパリも陥落させた。
3年後、工場で強制労働を強いられているステラ。ユダヤ人に偽造パスポートを販売するロルフと出会い、恋に落ちると、同胞や家族が隠れて生活する中、ロルフの手伝いをしながら街中を歩き、自由を謳歌するステラ。
ある日、ついにゲシュタポに逮捕される。拷問を受けたステラは、アウシュヴィッツへの移送を免れるため、ベルリンに隠れているユダヤ人逮捕に協力することを余儀なくされる。
生き残るために同胞を裏切ったステラは、終戦後、裏切ったユダヤ人仲間から裁判をかけられる・・・。

ステラは、金髪で青い目というアーリア人にも見える風貌のユダヤ女性。黄色い星をはずして、夜の町に遊びにいっても、ユダヤ人だとは見破られません。 勝気で、ともすれば嫌な女性にみえる描かれ方ですが、アウシュヴィッツ行きを逃れるための自己防衛として、密告者という選択ができるなら、誰しもその誘惑にかられるのではないでしょうか。 ステラはアウシュヴィッツ行きこそ逃れましたが、戦後、同胞を裏切ったことへの思いは彼女を苦しめ、幸せな人生を送っていないようです。 
2025年1月27日、アウシュヴィッツ強制収容所解放から、80年を迎えました。 記念式典で、生き延びた方たちが、憎しみを持たないことが平和につながることを強調されていました。 あれほどまでに過酷な思いをされた方たちの言葉は貴重です。人種や宗教の違いなどで、差別し、それが戦争にも至ることが、今も世界からなくならないのが悲しいです。(咲)

2023年/121分/ドイツ・オーストリア・スイス・イギリス/ドイツ語・英語/PG12
日本語字幕:吉川美奈子 
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/stella/
★, 2025年2月7日. (金)より 新宿武蔵野館ほか全国公開




posted by sakiko at 20:47| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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