上映館情報
マレーシア・クアラルンプールのスラム地区[富都](プドゥ)
荒廃したその街でIDも与えられず、過酷な人生を強いられた兄弟がいた
監督・脚本:王礼霖 (ジン・オング)
製作:李心潔(リー・シンジエ、アンジェリカ・リー)、アレックス・C・ロー
撮影:カルティク・ビジャイ
美術:スーン・ヨン・チョウ、ペニー・ツァイ
音楽:片山涼太 ウェン・フン 主題歌:片山涼太
挿入歌:千言萬語 雲鎂鑫(ユン・メイシン)
出演
アバン:吳慷仁(ウー・カンレン)
アディ:陳澤耀(ジャック・タン)
マニー:鄧金煌(タン・キムワン)
ジアエン:林宣妤(セレーン・リム)
シャオスー:周雪婷(エイプリル・チャン)
犯罪集団のボス ブロント・バララエ
スラム街で支え合いながら生きている兄弟の物語
マレーシアの首都クアラルンプールのスラム地区「富都(プドゥ)」。荒廃したその街で、支え合って生きる兄弟の過酷な人生を描き、世界各国の映画祭で賞を受賞しているマレーシア・台湾合作映画。この地域には不法滞在者やその二世、様々な国籍、背景を持つ貧困層の人々が多く暮らしている。
その場所で、身分証明書(ID)を持たない兄アバンと弟アディは暮らしている。アバンは聾唖(ろうあ)というハンディを抱えつつ、市場の日雇いで堅実に生計を立てているが、アディは簡単に現金が手に入る裏社会の仕事をしていて常に危険と隣り合わせ。
そんなある日、実父の所在が判明したアディにはID発行の可能性が出てきた。
しかし、事件に巻き込まれ、IDを得るのに困った状況が出てきて、二人の未来に重く暗い影が忍び寄る。父も母もいないが、こんな暮らしの中、見守ってくれ、助けてくれる近所の人たちがいて、貧しいながらも二人は生きてこられた。
原題の『ABANG ADIK』(アバン アディ)はマレーシアの母国語バハサ・マレー語から来ていて、「アバン」は「兄」、「アディ」は「弟」という意味で、「兄弟」ということになるそうです。
台湾の俳優ウー・カンレンが兄アバンを熱演し、マレーシアの俳優ジャック・タンが弟アディを演じている。ウー・カンレンは、台湾の第60回金馬奨(2023)で最優秀主演男優賞を受賞。ジン・オング監督は、これまで社会派作品をプロデュースしてきたが、この作品で長編初監督・脚本を手がけた。文化的アイデンティティや、社会的不平等、政治腐敗などの問題を浮き彫りにし、マレーシア社会の複雑さを捉える視点を盛り込んだ作品。
公式HPはこちら
2023年製作/115分/PG12/マレーシア・台湾合作
配給:リアリーライクフィルムズ
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