監督:城定秀夫
脚本:内藤瑛亮、城定秀夫
撮影:渡邊雅紀
音楽:ゲイリー芦尾
出演:深川麻衣(長浜杏奈)、若葉竜也(上杉輝道)、田口トモロヲ(田久保)、松浦祐也(三橋剛)、片岡礼子(三橋椿)、杉田かおる(田久保よしこ)、中山功太(古谷巡査)
イラストレーターの杏奈は夫の輝道が脱サラしたのを機に、憧れのスローライフを実現するべく、麻宮村に移住した。近隣への挨拶回りで自治会賞の田久保家を訪れ、過剰なまでの歓待をうける。初めての村社会の距離感に戸惑う夫婦だったが良い方に解釈して、小さな自給自足も始めてみた。杏奈の妊娠を親のように喜び、身体をいたわる自治会長たちに感謝しつつも違和感を覚える二人。田久保夫婦は夫婦別姓の杏奈と輝道にもなにかと干渉してくる。ふたりは村の中で、自治会長の田久保が大きな権力を握っているのに気づく。
村に生まれ、そこに住んでいる方々には申し訳ないような暗部の羅列。これはフィクションですからね。
ただし、これまで日本各地で起こった村八分事件から材をとったともあります。古い話ではなく、21世紀の今でも大小の村八分は存在し、事件は起きていました。それは村社会に限らず都会の暮らしでも、子どもの社会でも同じような問題が火種となって燻っています。人を差別化し、同じ行動をとることをよしとすれば、管理するほうは便利でしょう。敵を作っておけば人心は掌握しやすいのです。自由と民主主義など蹴り飛ばされたようなものです。
杏奈は自分なりに闘い、輝道は家族のためにと取り込まれてしまいましたが、必至で妻と子を守ろうとします。小さな世界は大きな世界の縮図でした。城定秀夫監督が『ミスミソウ』の内藤瑛亮監督と仕掛けたこわーい狂宴から、あなたなら抜け出すことができるでしょうか?(白)
2024年/日本/カラー/99分
配給:ショウゲート
(C)2024映画「嗤う蟲」製作委員会
https://waraumushi.jp/
★2025年1月24日(金)より全国ロードショー
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