監督・脚本:作道雄
共同脚本:伊藤基晴
撮影:橋ヶ谷典生
音楽:平井真美子
出演:坂東龍汰(森下昴)、西野七瀬(柏原美紀)、円井わん(吉田翠)、小久保寿人(牧田兼)、津田寛治(牛丸清太郎)、岡田義徳(池内武彦)、風間杜夫(澤田義男)、南果歩(森下洋子)
ラジオ構成作家の森下昴とフードコーディネイターの恋人・美紀とは付き合って3年になる。結婚を間近に控えていたある日、美紀は交通事故で亡くなってしまう 。突然の美紀の死を受け入れられず、呆然自失の日々を過ごす昴に、故郷の岐阜で一人暮らす母・洋子は帰っておいでと声をかける。洋子も20年前突然夫を亡くし、その傷は今も癒えていない。
昴は母の元に帰り、親しい人を亡くした人々が胸のうちを語り合う「グリーフケア」の会に参加してみた。そこにはあらゆる事情で最愛の人を亡くした老若男女がいた。中でも妻を亡くしたという池内の話に心惹かれる。
昴と美紀はすでに一緒に暮らし、結婚式の準備に余念のない日々を過ごしていました。冒頭の演出に美紀がいなくなったことを強く感じました。昴が泣くシーンもありません。これからも二人の日々が続くはずだったのに、いきなり身体の半分を失ったような感覚なんでしょうか。仕事で会ったカウンセラーの言葉も納得できません。
昴は美紀の姿をそこここに見ます。変人と思われている池内には、彼にしか見えない亡き妻がそばにいます。それはそれで幸せではないかと思ってしまいました。母の洋子は夫を死なせた男をずっと探し続けています。理不尽この上なく、洋子が痛ましいです。
病気で夫を送った何人かの友人が、少しずつ日常を取り戻してくるのを見てきました。残った者は、折にふれ不在を感じる寂しさとこれから先もずっと付き合っていきます。生まれてきたなら年をとるのも病も死ぬまでついてまわります。それでも生まれてきて良かった、会えて良かったと思える人生でありますように。(白)
長年一緒に暮らしてきた人に先立たれるのも寂しいけれど、これから人生を共に歩むはずだったパートナーが突然この世からいなくなるというのは、あまりに悲しすぎます。忘れようにも忘れられない・・・、いえ、忘れなくてもいいのだと教えてくれたような気がします。
主人公の昴の故郷は、飛騨古川。高山の隣町で、やはり古い町並みの風情ある素敵な街です。本作のプロデューサーの一人、益田 祐美子さん(平成プロジェクト代表)は、飛騨高山の出身。映画の中に、一瞬ですが写真で登場! 笑顔が素敵です。2年前から岐阜県人会副会長を務めているとのことで、この映画もしっかり岐阜県のPRになっています。(咲)
2024年/日本/カラー/107分
配給:ラビットハウス
(C)「君の忘れ方」製作委員会 2024
https://kiminowasurekata.com/
★2025年1月17日(金)新宿ピカデリーほか全国公開中
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